中山道の妻籠宿へドライブしてきました。
江戸時代の歴史ある町並みが多く残り、歩いていると旅籠からお侍さんが出てくるんじゃないかと思うくらいの情景が続いています。
観光客の少ない平日がタイムスリップ感を味わえていいのですし、長野県南方の山間部ということで車でのアクセスがおすすめです。
この記事ではマイカーで妻籠宿に行ってきたはなはなが、以下の内容でまとめています。
- 妻籠宿ってどんなとこ?
- 妻籠宿の観光所要時間はどれくらい?
- 妻籠宿の見どころ おすすめスポットはどこ?
- 妻籠宿の駐車場・アクセスをおしえて(別記事)
- 近くのおすすめスポットもおしえて
この記事を読めば、初めて行く人でも駐車場探しに困らず効率よく観光ができるでしょう。
現地で撮ってきた写真たっぷりで見どころやおすすめスポットをピックアップしていますので、ぜったい行きたいな~と思っていただけると思います。
歴史的な雰囲気で満ち溢れる中山道「妻籠宿」長野観光のスケジュールに加えてみてくださいね。
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目次
妻籠宿とは?
妻籠宿(つまごじゅく)は長野県木曽郡南木曽町にある中山道42番目の宿場です。
昭和51年(1976)に全国で初めて国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、江戸時代の宿場町の風景を今に伝えています。
江戸期の宿の長さは2町30間(約270m)宿内は問屋2・本陣1・脇本陣1・旅籠31となっていましたが、明治に入ると伊那街道が妻籠宿で中山道と合流し三河とつながる交通の要所として大いに発展してきました。
中山道の街道に国道が整備されるようになると多くの宿場町は姿を消しますが、木曽路の宿場町は開発を免れたところが多く残っています。
木曽路には十一の宿場がありますが、その中でも妻籠宿は約1kmに渡り街並みが保存されています。
妻籠宿は当時の歴史ある町並みだけでなく本陣・脇本陣が見学できる人気観光地になっています。
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妻籠宿の観光案内
妻籠宿の基本情報
妻籠宿 | |
178 566 773*27 | |
住所 | 〒399-5302 長野県木曽郡南木曽町吾妻2196-1 |
お問い合わせ | 0264-57-3123(妻籠観光協会) |
観光時間 |
|
入館料 |
|
定休日 | 各店舗営業は不定休 |
駐車場 |
有料の公営駐車場が3ヶ所 1日500円 |
観光所要時間 | 約1~2時間 |
備考 | 画像は脇本陣奥谷 |
公式サイト | 妻籠観光協会 |
妻籠宿の観光所要時間
今回はなはなは隣の馬籠宿でお昼ご飯を食べて妻籠宿に来ましたが、13:30~16:30のの約3時間ほど滞在しました。
もちろん初訪ではないのですが、脇本陣・本陣を時間をかけて見学しましたので、それが無ければ2時間あれば大丈夫でしょう。
お昼を食べたり、コーヒーやスィーツをで休憩したり、お土産選びで+アルファ見ておきましょうね。
また、ほんとに時間がない人で町並みを歩くだけなら1時間あれば戻ってこれます。
マイカーで来る人は隣の馬籠宿とセットで訪れる人が多いと思いますので、どちらを先に観光するのか? お昼はどちらで食べるのか? など、
あらかじめ決めて時間配分すると観光がスムーズに行くでしょう。
妻籠宿の駐車場・アクセス
妻籠宿は大きな公営駐車場が3ヶ所、キャパは合計で300台以上あるので、はなはなも毎回すんなりと駐車しています。
また、どこも駐車料金は1回500円と統一されているので観光に便利な一番近い駐車場がおすすめです。
通常の土日祝なら駐車場に困ることはないですが、ゴールデンウィークやお盆などの繁忙期は時間に余裕を持って行動した方がいいでしょう。
詳しくは別記事でまとめていますのでアクセスと合わせて参考にしてくださいね。
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妻籠宿の見どころ おすすめスポットMAP
脇本陣奥谷・歴史資料館と妻籠宿本陣は有料施設ですが、見学した方が満足度が非常に高いです。
- 脇本陣奥谷は1877年の建築
- 妻籠宿本陣は1995年復元
ですのでどちらか一つなら脇本陣奥谷ですが入館料金が、
- 脇本陣奥谷・歴史資料館 600円
- 妻籠宿本陣 300円
- 共通入館料 700円
なので3ヶ所見るのがおすすめです。
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妻籠宿の見どころ おすすめスポット詳細
①脇本陣奥谷(斜光)
脇本陣は宿場に本陣の予備的役割で設置され、大きな藩で本陣だけで泊まりきれない場合や、藩同士が重なった場合に格式が低い藩の宿に使われていました。
脇本陣奥谷と歴史資料館が併設になっており、ぐるっと30分~60分くらいで見学できます。
木曽五木の禁制が解かれ明治10年に木曽桧を豊富に使った重厚な構造で作られました。
建物は国の重要文化財になっています。
受付で料金を支払い中に入るとおばちゃんが「時間はありますか?」と聞いてきました。
語り部さんとは知らずに「たっぷりあります」と言うといろんな話をいっぱい聞かせてくれます。
混雑具合にもよると思いますが、観光時間に合わせて話をしてくれるようです。
敷居をまたぐと土間には囲炉裏の煙のにおいが立ち込めて、旧家ならではの太い梁に広い座敷がつながった間取りになっています。
大きな神棚にも目が留まります。
靴を脱いで座敷に上がると囲炉裏に薪をくべて炎を増してくださいました。
「どうぞ写真を撮ってください」とありがたいおもてなしです。
この囲炉裏端は一番の人気撮影スポットでSNSで拡散されており知っている人も多いと思います。
その時間の観光客がはなはな一行だけだったのかもしれませんが、詳しい説明を聞かせていただきました。
ちなみに上の画像は4月24日の15:00頃なので斜光は入ってきていません。
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この光芒が見られるのは陽がもっとも傾く冬至を中心とした11月~2月頃、もちろん陽が差しているお昼頃が狙い目だそうです。
斜光が囲炉裏から立ち上る煙と相まって二つとない表情を見せるのもカメラマン心をくすぐるのでしょう。
見られる期間は多くの人がカメラに収めようと混雑するそうなので平日がおすすめかな。
逆に、斜光目的でないなら期間をずらした方がゆっくり見学できるでしょう。
明治13年に明治天皇の御小休所になった時の調度品がそのまま残されています。
このテーブルは陛下が実際に使われたものだそうです。
手入れの行き届いた中庭も、陛下が立たれた位置から拝見。
脇本陣奥谷は隣の馬籠宿で生まれた島崎藤村の初恋の人「おふゆ」さんの嫁ぎ先で、藤村が宛てた手紙が残されていました。
ちなみに奥谷は屋号で実際は林さんの住宅なので、手紙にも「林」の文字が確認できます。
初恋 島崎藤村
「まだあげ初めし前髪の林檎のもとに見えしとき前にさしたる花櫛の花ある君と思ひけり、、、」
おふゆさんは14歳で林家に嫁いだそうで、林檎とかぶってるじゃんと思うのははなはなだけ?
脇本陣奥谷は2階に上がれないのは残念ですが、一通り見学したら裏口からつながっている歴史資料館に行きます。
歴史資料館は新しい建物で妻籠宿・木曽路・南木曽の歴史や主産業である木曽檜の事が学べます。
入口にどんと置かれているこの車付きの長持。
ガラスケースに入れられて、ただならぬ雰囲気を醸し出してるな~と思ったら、、、。
幕末の1861年、皇女和宮(かずのみや)が14代将軍徳川家茂(いえもち)に嫁ぐため中山道で京都から江戸に向かう道中の事。
この長持ちは和宮が妻籠宿で昼食をとった際に脇本陣林家が拝領したものだそうです。
妻籠宿のミニチュアは完成度が高くよくできていました。
住宅地図をよく見ると土間・6畳・8畳と間取りまで書いてあるのに驚いたり。
山間部の農村は狩猟が盛んで火縄銃の普及率も高い。
「ねずこ」に反応して足が止まりましたw
木曽の木材は昔から良質で、江戸城の築城などに様々なところで利用されたため木材資源が枯渇してしまいました。
木曽五木とは、江戸時代に尾張藩により伐採が禁止された木曽谷の木のことです。
この時保護された、ひのき・さわら・あすなろ・ねずこ・こうやまきの五種類は現在木曽谷の名産品となっています。
大型で重量のある木材を最も早くかつ大量に遠隔地へ運搬する一般的な手段で広く用いられていました。
やぐらを組んで丁寧に流しているのは、当時も木曽檜は高価な木材であったからでしょう。
脇本陣でいろいろ話を聞いたり歴史資料館でパネルを読んだりして、何だかんだで1時間くらいかかりましたが得るものが多くて満足感が高かったです。
脇本陣奥谷・歴史資料館
〒399-5302
長野県木曽郡南木曽町吾妻2190
☎ 0264-57-3322
営業時間 9:00~17:00(入館受付16:45まで )
休館日 年末年始(12月29日~1月1日)
入館料 大人600円 子供300円
(妻籠宿本陣との3館共通券 大人700円・子供350円)
Webサイト 妻籠観光協会
②妻籠宿本陣
本陣は天皇のおつかいである勅使や、公家、大名、公用で旅をする幕府の役人などが宿泊するための施設です。
今風に言えば脇本陣が高級旅館なら、本陣は皇室御用達クラスとでもいいましょう。
しかし宿泊者を限定すると経営が行き詰まるため本陣・脇本陣ともに身分の高い人の宿泊予定がない場合は一般旅行者でもそれなりの宿代を払えば宿泊できたところもあったようです。
妻籠宿本陣は島崎藤村の母の生家でもあり、最後の当主は島崎藤村の実兄(島崎広助)でした。
明治20年には広助氏が東京へ出たため建物は取り壊されたそうです。
本陣跡は町に払い下げられたのを機に平成7年(1995)に江戸末期の間取りを忠実に復元されました。
お偉いさんの玄関は正面の敷台から。
付き人や使用人は左の小さな入口から。
土間にはかまど・ながし、上がりっぱにはいろり×2の大きな台所があり、平屋でありながら太い梁の大屋根はさすが本陣と言わざるをえない。
昔はバリアフリーなんてお構いなしの段差だらけの構造も味があってよろしい。
囲炉裏は調理器具の役割だけなく、火は絶やされることなく、かまどや照明具の火種として使われました。
その他にも
- 暖房の役割
- 夜間の採光
- 濡れた着物を乾かす
- 屋内を乾燥させることによって腐食しにくくする
- 薪を燃やすときの煙に含まれるタールが、梁や建材に浸透し防虫効果
一番のメリットは囲炉裏端の言葉が生まれるように囲炉裏を囲んだコミュニケーションの場の提供でしょう。
脇本陣と比べると広さといい、間取りといい高級感が少しアップしています。
平成7年に復元されたとは思えないくらい年季が入った感じがいい味だしてます。
一番お偉い人が泊まった部屋がこちら。
共通券は脇本陣奥谷と妻籠宿本陣のどちらでも購入できますので両方の見学がおすすめです。
妻籠宿本陣
〒399-5302
長野県木曽郡南木曽町吾妻4701
☎ 0264-57-4114
営業時間 9:00~17:00(入館受付16:45まで )
休館日 年末年始(12月29日~1月1日)
入館料 大人300円 子供150円
(脇本陣奥谷・歴史資料館との3館共通券 大人700円・子供350円)
Webサイト 妻籠観光協会
③尾又橋
中央駐車場に停めた場合はこの橋を渡って妻籠宿に入っていきます。
告「通行人は右の橋を渡るべし」いきなりおふれが出ていますw
10時~16時は妻籠宿内は車の通り抜けが禁止ですが、渡って右は行けるので車が通る時もあります。
おふれに従い、歩行者は右の木の橋を通りましょうね。
上流にあるのは水力発電所。
どこかで見たことのあるような懐かしい景色。
シブリ?
⇦妻籠宿 馬籠宿7.8km⇨
妻籠宿~馬籠宿は遊歩道が整備されてますので歩いて来る人もいれば、歩いて行く人もいます。
ちなみに妻籠⇔馬籠は遊歩道100選の一つなのです。
それでは左に曲がって妻籠宿に入って行きましょうか。
④上嵯峨屋
上嵯峨屋は旅籠とは異なり、食事が宿から出ない寝具なしの雑魚寝のためかなり低賃金で宿泊できました。
このような宿は本賃宿と呼ばれ、宿泊者は米などの穀物を持参し薪代を支払い自炊する仕組みでした。
そういえば時代劇にもいましたよね~荷物を風呂敷に包んで枕代わりにしてごろ寝している人が。
本貸宿は江戸初期には一般的でしたが、中期以降庶民の経済力が高まり旅籠が一般的になると姿を消していったようです。
妻籠宿に残る本貸宿はかなり貴重な建築物なのです。
上嵯峨屋の近くにある和菓子屋の澤田屋さんは栗きんとんが絶品です。
⑤好日珈琲
町並みの雰囲気を壊さないようにさり気なくある今風のカフェです。
スィーツもありイートインできるのがうれしいです。
好日珈琲 さんから今来た道を振り返ると、どこかで見た景色が、、、
昔しゃぶしゃぶの木曽路さんのCMで使われていました。
ちなみに今のCMは奈良井宿に変わったようです。
⑥下嵯峨屋
建造当初は長屋で上嵯峨屋と同じ本賃宿だったそうです。
解体後は現在の妻籠宿で一般的庶民の住宅で片土間に並列二間取の形式になりました。
脇の細い道を入っていくと同じ名前の「下嵯峨屋」という宿があります。
泊まってみたい人は要チェック
⑦枡形の跡
江戸初期に制定された宿場には一種の要塞の役割を持たされ、宿場の出入口をそれぞれ直角に曲げて敵が侵入しにくいようにしたものです。
枡形の跡が残っていますが、同じ中山道の奈良井宿はもっとはっきり90度に曲がっている場所があります。
下が舗装されてないので、この辺りは最も雰囲気ある場所ではないでしょうか?
⑧郵便史料館
島崎藤村の「夜明け前」にも出てくる郵便局で、奥の片隅で通常業務を行っています。
手前が資料館になっており、藤村に関する手紙が保存されていたりポストがいっぱい並んでるのでちょっと立ち寄ってみましょう。
⑨妻籠宿観光案内所
パンフレットがいっぱい置いてあるので長野観光に役立つ情報が得られると思います。
もちろんトイレもあります。
妻籠⇔馬籠の完歩証明書を販売しています。
やり方は、300円で購入して、馬籠まで歩いて観光案内所でハンコをもらう。
逆に、馬籠で購入して歩いて来た人はここでハンコをもらいます。
いろいろ覗いてみるもんですね~たまたまかも知れませんが、はなはなが行った時にはきれいなつるし雛が飾ってありました。
⑩水車小屋
妻籠宿の高い場所に貯池が作ってあり、道に沿って水路が設けられているのがわかります。
水路は家事、洗濯、火災の消火等にすぐ使えるような役割もあったのでしょう。
何より水車って町並みのアクセントになっていい感じです。
水車小屋の近くに藤棚が作ってありとてもきれいでした。
4月の藤ですが山間の町なのでゴールデンウィークまで持つかもしれませんね。
⑪妻籠宿高札場跡
江戸幕府及び諸藩が特に重要度の高い禁令を木製の立て札である高札で掲示していました。
右上から左に
- きりしたん禁制札
- ととう(徒党)逃散禁制札
- 親子兄弟札
- 人馬賃銭札
- 駄賃銭札
- 火付け火事場禁制札
- 毒薬似せ金禁制札
何となくですが、きりしたん禁制札・親子兄弟札以外は今でも捕まりそうですw
高札は明治7年には廃止になりましたが、一番の理由は新しい警察・司法制度の確立や教育制度や新聞などの普及によって時代にそぐわなくなったからでしょう。
この辺りは妻籠宿でも一番高い位置になるので絵になる景色が撮れます。
奇跡的に観光客が誰も写っていませんでした。
⑫熊谷家住宅
この時代の特徴である、玄関からそのまま奥に土間が続き上がりっぱに囲炉裏というスタイル。
説明書きには、この建物は十九世紀初頭に建てられた長屋の一部で、左右の建物がとり壊され立て替えられたことから、右半分と左半分が残り一軒の家として使用されたそうだ。
農家さんだったのか畑を耕すような道具がいっぱい並ぶ。
これは以前に行った時の画像ですが、縁側もあって江戸期としてはなかなかの家ではありませんか?
高台なので奥のふすまを開けたら気持ちいい風が入ってきそうな感じです。
⑬鯉ヶ岩
♪恋かな~Yes! 鯉じゃない~Yes! 誰か歌ってませんせしたっけ?
江戸期にはすでに鯉ヶ岩とよばれて妻籠宿の名物大岩だったようです。
しかしどう見ても鯉には見えませんね~。
はっきり言ってカエルに見えますが、以前は立っていて鯉が飛び跳ねるように見えたそうです。
ところが明治24年の濃尾地震で倒れてしまい現在の状態に。
しかし、本来はやっぱり鯉じゃなくて恋だった!!!
ネットで調べたら、江戸期以前に木曽義昌(木曽義仲の後裔)がこの岩付近で恋物語をささやいたという伝説があり、この辺りの地名の恋野の由来にもなっているのです。
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近くのおすすめ観光スポット
馬籠宿
距離:所要時間=9.9km:約20分
奈良井宿
距離:所要時間=58.7km:約70分
まとめ:すばらしいものを残してくれてありがとう
妻籠宿の見どころやおすすめスポットをいくつか紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
妻籠宿は長野県の貴重な宝だと思います。
なぜなら、歴史ある古い建物が多く残り、風情あふれる町並みを歩くだけでもワクワクできるから。
もう住民の方々の努力を考えると感謝でしかありません。
この記事で一つでもここに行きたいと思っていただいたり、観光にお役に立ていただいたなら幸いです。
一つ西の馬籠宿とよく比較され「どちらへ行くのがおすすめですか?」と聞かれる事がありますが、1日あれば2つ回れるので両方行くのがいいですよと言っています。
規模的には同じくらいの大きさですのでどちらも楽しめるのは事実です。
ぜひ自分の目で確かめていただきたいです。
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