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世界遺産

青岸渡寺から那智の滝の眺望 西国三十三所第一番札所はここだ

更新日:


青岸渡寺は神社仏閣に興味がない人からするとあまりなじみがなく、聞き慣れない感じがすると思います。しかし那智の滝を借景にした朱塗りの三重塔が見える風景は誰しも何処かで見た事があるのではないでしょうか?

名刹、青岸渡寺は那智山中腹に鎮座し、熊野那智大社とは門一つで隣接する、神仏習合の一大修験道場でした。

明治初期に青岸渡寺と那智大社に分離しましたが、双方の位置は変らず、訪れる人は両方参拝しています。熊野那智大社の次は青岸渡寺とお決まりのルートですが、神社とはちょっと異なる寺社の参拝方法についてもまとめてみました。

アクセス、駐車場情報、観光案内、混雑状況など現地で撮って来た写真でシェアします。少しでも皆さまの旅のお役に立てれば幸いです。
 

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青岸渡寺について

青岸渡寺(せいがんとじ)は、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町にある天台宗の寺院です。本尊は如意輪観世音菩薩、山号は那智山です。西国三十三所巡礼の第一番札所として有名です。

本堂および宝篋印塔(ほうきょいんとう)は国の重要文化財であり、熊野三山と共にユネスコの世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』の一部として世界遺産登録されています。

創建は4世紀でインドから渡来した裸形上人が那智の滝で修業をし、滝壺で見つけた如意輪観音菩薩を本尊として安置した庵を建てたのが起こりとされています。

後に推古天皇の勅願により、6世紀末~7世紀初に生仏聖(しょうぶつひじり)が伽藍を建立し、丈六の如意輪観音菩薩を安置して、その胎内に裸形上人の如意輪観音菩薩を納めたという。

また、本堂の中には奈良~平安時代の仏像が収められているが、本尊の如意輪観世音菩薩は秘仏となっています。

現在の本殿は、豊臣秀吉の命により1590年に再建された桃山様式の建築物であり、紀南で一番古い国指定の重要文化財建造物です。

秀吉が寄進した鰐口は、現在も本堂に吊るされており鳴らすことができます。

 

西国三十三所(さいごくさんじゅうさんしょ)

近畿2府4県と岐阜県に点在する33か所の観音信仰の霊場の総称。これらの霊場を札所とした巡礼は日本で最も歴史がある巡礼であり、現在も多くの参拝者が訪れています。

現在、関東の坂東三十三箇所や秩父三十四箇所、四国の八十八箇所お遍路など、巡礼は全国では600コース以上あると言われていますが、

一番の元になる三十三という数字は西国がはじまりであり歴史があるとされており、西国三十三所は日本最古の巡礼地と言われる由縁でもあります。

15世紀、室町時代中期には、庶民の間にもこの巡礼が定着していたようです。

私も青岸渡寺を訪れて機会があれば御朱印帳ではなく納経帳に持ち替えて巡礼したいと思ったくらいすばらしい寺社でした。

第一番札所の熊野青岸渡寺から三十三番札所の岐阜の華厳寺まで、およそ1000キロの行程になります。

三十三か所満願するには、車で行くと、10~12日ほどかかり、電車・バスなどの公共交通機関を利用する場合、15日あれば巡ることができるそうです。

 

人気の西国三十三所

西国三十三所には世界遺産が3か所あります。第一番札所 那智山「青岸渡寺」、第十一番札所  深雪山「醍醐寺」、第十六番札所 音波山「清水寺」その他、歴史的観点からも興味深い見所がたくさんありますので、観光としての価値も非常に大きく魅力の1つです。

 

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青岸渡寺のアクセスと所要時間

関東・中部・北陸方面

東名阪自動車道・伊勢自動車道経由

紀勢自動車道 尾鷲北I.C ⇒ 国道42号線経由 70.8km 約1時間37分

 

関西方面

阪和自動車道経由

紀勢自動車道 すさみ南I.C ⇒ 国道42号線経由 62km 約88分

数年前は車では時間がかかり陸の孤島などと揶揄された和歌山県山間部でした。世界遺産に登録後、紀伊半島沿岸の高速道路化が進み、以前に比べはるかに行きやすくなりました。

紀勢自動車道も全線開通していないので無料区間が多く、走った距離からしてもかなり安いです。

 

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青岸渡寺の駐車場情報

青岸渡寺は和歌山県の熊野灘に面したにJR那智駅から車・バスで25分ほど山奥に入っていかなければなりません。

そこにある那智山一帯は、世界遺産にも登録された熊野古道をはじめ熊野那智大社・那智の滝・飛瀧神社・青岸渡寺と有名観光地が集まっているのです。

当然観光客を見越した車・バスの駐車場も数多くあり、ストレスなくこれらを観光するにはかしこい駐車場選びが必要になってきます。

無料駐車場も若干ありますのでゴールデンウイーク、お盆等ハイシーズンでなければ停める事が出来るかもしれません。

またお土産屋さん・お食事処併設の駐車場もあるので、そこで買い物をすれば駐車料金無料の特典ががあったりします。

いずれの駐車場も1回400円~800円となっており、駐車台数は観光バス等の予約・利用状況に変わって来ますので推定です。

以上のことをふまえ那智山一帯の駐車場をまとめてみましたので、「熊野古道から那智の滝観光にオススメの駐車場10選 無料~最安値を調査」を参考にチョイスしてみて下さい。

 

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青岸渡寺の参拝情報

マップコード

324 887 813*66

鎮座地
〒649-5301 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山8


0735-55-0001

拝観料 
不要

拝観時間 
5:00〜16:30

納経時間
5:00〜16:30

三重塔
拝観料 300円
拝観時間  8:30~16:00

 

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みちしるべ

山門

熊野那智大社の東門をくぐれば青岸渡寺の境内になるのですが、ちょっとお待ちください、それではせっかくの西国三十三所第一番札所に来たのに意味が無さすぎませんか?と言う事で一度石段を下りて山門の下までやって来ました。

この山門は、かつては熊野古道の大門坂を登った場所にあったそうです。大門坂の名前の由来にもなったという門は、この場所に移築されたそうです。

 

1933年に再建されていますが、南紀は雨の非常に多い地域でありますので、85年間の雨風にさらされた状態を見る事ができます。下から見上げても柱など朱塗りの部分がだいぶ痛んでいるのがわかります。

 

迫力ありますよ。怖い顔の仁王様が二体いらっしゃいます。寺院も山門をくぐる時は一礼します。

 

山門は鳥居と同じ?

「山門」とは、神社でいうと「鳥居」にあたります。山門をくぐり、境内に入るときは「これからお参りさせていただきます」と仏様に敬意を表して一礼をしてくぐります。

帽子を脱帽したり、くぐる時の一礼とこの辺りの作法は神社と同じですね。

鳥居や参道は神様の通り道とされ真ん中を避けますが、山門は真ん中でも大丈夫です。ただし、下の敷居を踏まずにまたいで入るのがマナーとされています。

そして、山門をくぐると内側には狛犬?が二体。ここはかつて神仏習合の一大修験道場だった場所、仁王像と狛犬が表裏一体であってもおかしくはない。しかし、見るからにそうとう年季が入っているこの二体、いったいいつの時代のものであろう?

 

さらに石段を上り境内に入って行きます。

 

清浄水

一般的には手水舎ですが、ここのはちょっと違います。「延命の水」と書かれている通り水源は那智大滝です。これってものすごいパワースポットじゃないですか?御利益ありそうな水をいただきました。清め方は神社と同じですね。

 

鐘楼(しょうろう)

元亭4年鋳造(鎌倉時代)の物です。

寺社では本堂に行く前に鐘楼があれば鐘をつきます。鐘をつくのはご先祖様に来たことを知らせるためでもありますが、お寺によっては鐘をつくことを禁止していることもあります。参拝者が多い寺院は立ち入り禁止になっていたりします。こちらは「つかないでください」と書いてあります。

 

鐘をつくタイミング

参拝を終えて帰るときに鐘をつくのは、忌み嫌われている「戻り鐘」と呼ばれる行為なので止めましょう。鐘をつける寺社の場合は手と口を清めた直後につきます。

宝篋印塔(ほうきょういんとう)という元亨二年 1322年(鎌倉時代後期)の流紋岩でできた高さ4.3mの国指定重要文化財の塔があります。この鐘楼の左側にありますので、見ておかれる事をお勧めします。

 

香炉

頭を撫でていかれるんですかね~結構てかってます。銅製ですか?青さびっぽい色具合に歴史を感じます。

両側のわんちゃん?頑張ってつかまってる(ぶら下がってる?)感がかわいいですよね。

ここで線香をお供えします。巡礼者なら線香やろうそくは持っていますが、私は参拝者なので持っていませんです。購入用の線香やろうそく(50円くらい)が用意されている場合もあります。

 

もらい火はダメ

ろうそくや線香に火を点ける場合は、他の参拝者のろうそくや線香から火をもらう事「もらい火」は、他人の業(罪や悪いもの)をもらい受けると言われているので避けましょう。

ですので、火を点けるときはお寺の種火か持参したライターでつけます。消すときは、息を吹きかけるのではなく、手のひらで扇いで消します。

お寺によっては常香炉が置いてあるところもあります。線香の煙を身体にあて清めましましょう。体の具合の悪い部分に煙をあてたりします。

 

 本殿

こちらも修復工事が始まっており足場が組まれています。

 

本堂回りもちょっと残念です。観音様も足場に囲まれています。

 

工事前の本来の本堂の画像をお借りしてきました。

本堂(如意輪堂) 入母屋造りで桃山様式の建築 、棟高18m、重要文化財

 

歴史を感じさせる本堂正面です。柱の色褪せ具合がまた趣があっていいです。那智山の扁額も凝っていてすばらしいです。千社札は観音霊場ではつきものですね、たくさん張ってあります。

 

金色の吊り灯篭が神社っぽく、吊り鐘は寺社ならでは。

 

この吊り灯篭は夜になると点灯するんでしょうか?ベンチも置いてあります。

 

鰐口(わにぐち)

鰐口(上からぶら下がっている仏具)があれば鳴らします。鰐口は鐘と同じく、仏様への挨拶なので優しく鳴らすのがマナーです。神社では鈴ですね。

太い綱を揺らして鳴らすので勢いよくは出来ません。ちょうどいい大きさで鳴ってくれます。

 

天正18年(1590年)、豊臣秀吉の命により本堂(如意輪堂)が再建された際、豊臣秀吉より寄進された日本一の大鰐口(おおわにぐち)で、直径1.4m、重量450kgもあります。

鰐口にはその再興の趣旨が刻まれています。

高い所に吊ってあるので、その大きさがわかりませんが、子供の身長はゆうに超えていますね。

 

参拝

本堂に一礼してから「お賽銭(お金を賽銭箱にいれる)」を静かに行います。

第一番札所ならではの品々、巡礼に必要物は全てここで揃いますので、これを期に西国三十三所を巡られる方はここで準備してもいいでしょう。

 

お布施

神社とは違い、寺社のお賽銭はお布施であり、欲や執着を捨てる修行でもあります。とは言っても金額の大小ではありませんので金額は神社と同じ感覚て構いません。

神社でお参りをする時のお賽銭とは意味合いとが異なっている事だけ頭に入れておきましょう。

 

御本尊

御本尊(如意輪観世音菩薩)は秘仏でありますので拝見できませんが、お前立ち像の優しいお顔を拝見出来ます。

現在、年三回(三日)御開帳が行われているようです。一回はお盆期間中だそうです。

姿勢を正して目を閉じて、静かに胸の前で手のひらをぴったりと合わせる「合掌」をします。「合掌」したまま、本堂に向かって拝礼(深いおじぎ)し、その場を離れます。

 

手は合わせるだけ

はなはなも神社とお寺を交互にお参りしているとやってしまうことがたまにあります。近くの参拝者から白い目で見られますのでご注意を。

神社とは異なり拍手は打たないのがポイントなので気をつけましょう。

また、おじぎは一回です。帰りに山門を出る時にも一礼します。

 

如法堂(大黒天堂)

那智七福神をお祀りしています。

 

大黒天堂なのでメインは大黒さま+六福神です。寺社の境内に大黒さまというのは調べると結構あるようです。

 

まだ新しい感じがします。大黒さまと六福神

 

三重塔

本堂後方は、那智の滝との調和が美しい朱色の三重の塔がそびえ立っており、必見のフォトスポットとなっています。旅行のパンフレットで見る景色です。

那智の滝は落差133メートル、一段の瀧では落差日本一です。

 

天正9年(1581年)に戦乱により、焼失してしまいました。現在の三重塔は、昭和47年(1972年)400年ぶりに再建されたものです。

塔の高さは25m、一辺の長さ12m、各層は美しい格天井(ごうてんじょう)と板壁画で飾られています。

 

中は4階建てでエレベーターで一番上まで上がります。

 

御朱印

 

普照殿と書かれています。御布施 300円
 

 

まとめ

青岸渡寺のご案内はいかがでしたでしょうか? 那智山は見どころいっぱいでとても半日では回れないかんじです。

現地に行って気になった事をまとめてみましたので見て行って下さい。

  • 参拝するには石段を467段を登る必要があります。高齢の場合は青岸渡寺駐車場を利用しましょう。
  • 巡礼の札所ではありますが、御朱印は納経帳でなくても御朱印帳に授けていただけます。
  • 神社と社寺の参拝方法は異なります。まとめたポイントを参考にしてみて下さい。くれくれも神社の勢いで手を叩かないで下さい。
  • 参拝だけなら30分程度です。せっかく来たのですから記念に三重塔は時間があれば登ったほうがいいでしょう。
  • 青岸渡寺から那智の滝に行くには石段を降り滝入口まで15分くらいかかる。
  • 那智の滝に行くなら車を下の駐車場に移動したいところですが、空いているとは限らないので混雑時は一か所に停めて移動した方がいい。
  • 帰りに運転手が車を取りに行き家族は下で待っているのがベストだと思う。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。この記事が気に入っていただけましたら、はなはなの励みになりますので、ポチッとシェアしていただけると幸いです。

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