琵琶湖の西岸中部に鳥居が湖に浮かぶ神社があります。
水上に浮かぶ鳥居の写真だけ見れば厳島神社と間違えてしまいそうですね。
白鬚神社は朝日を浴びた幻想的な鳥居の写真でSNSで人気に火が付き、御朱印ブームも相まって国内外からの観光客が訪れています。
はなはなも車を走らせ現地取材を行ってきましたので、この記事では気になる日の出と鳥居が重なる時期、国道の横断の現状を中心にお伝えします。
例によってアクセス、駐車場、参拝・御朱印案内、混雑状況など、撮って来た写真でシェアします。皆さまの旅に少しでもお役に立てれば幸いです。
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目次
白鬚神社とは?
白鬚神社は社伝によると約2000年前の垂仁(すいにん)天皇の時代、皇女倭姫命(やまとひめのみこと)により社殿が創建され、近江最古の大社と伝わります。
白鳳2年(674年)には、天武天皇の勅旨により「比良明神」の号を賜ったとも伝わり、もともとの祭祀は本殿後ろの比良山系の明神山であったと思われています。
それは、境内裏山周辺にはいくつもの磐座や古墳群があり、神体山信仰を裏付けるものとなっているのです。
御祭神の猿田彦命は導き・道開きの神として広く知られていますが、白鬚神社の猿田彦命は白髪で白鬚を蓄えた老人のお姿をしており延命・長寿の神様として崇敬されているのも興味深いです。
比良山の神が人格化の過程で猿田彦命になった理由は不詳でありますが、神社名の白鬚はこの事が由来になっているのです。
湖中の大鳥居は、弘安3年(1280年)の絵図で陸上に描かれており、その後の琵琶湖の水位上昇に伴い水中に沈んでいったと考える事ができます。
琵琶湖最大の沖島を背景に湖中に浮かぶ鳥居は、形状も両部鳥居であることから「滋賀の厳島」とも呼ばれ、全国に三百余りある白鬚神社の総本社のシンボル的な存在になっています。
地元の人々からは親しみを込めて白鬚さん、明神さんと呼ばれているそうです。
関連記事 全国にある猿田彦神社はなんと二千社あまり、内宮の近くにあるので立ち寄りたい。「道開きの神 猿田彦神社で開運・縁結び祈願 内宮から徒歩13分」
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白鬚神社のアクセスと所要時間
琵琶湖の西岸中部に鎮座しているので車以外でのアクセスはあまり良くない。
※電車で一番近い駅の近江高島駅からは2.8km・徒歩30分かかり、JR大津駅からは乗り換え含めて2時間は見ておこう。
中部方面
大津IC ⇒ 国道161号線経由
約40分・38.9km
※大津IC出口は、スマートICで大津SAの中に料金所があります。
関西方面
京都東IC ⇒ 国道161号線経由
約35分・1時間2分
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白鬚神社の駐車場情報と混雑状況
263 376 469*27 | |
住所 | 〒520-1122
滋賀県高島市鵜川215番地 |
電話 | 0740-36-1555 |
駐車料金 | 無料 |
駐車台数 | 約30台
バイク可 |
営業時間 | 9:00~17:00
鳥居のライトアップ時間の駐車は要確認 |
その他 | 土日祝は満車になる事が多く係員の指示にしたがって駐車
駐車場に左折で入れるため南から北進が入りやすい 大きいトイレも完備しておりキャパは十分 交通量の多い国道ので並ぶことが出来ないので満車の場合はスルーしかない |
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白鬚神社の参拝と御朱印情報
参拝情報
263 376 500*83 | |
住所 |
〒520-1122
滋賀県高島市鴨川215番地 |
電話 | 0740-36-1555 |
開門・閉門時間 | 24時間参拝可能
湖畔の鳥居は日没後2時間程度ライトアップ |
授与所 | 9:00~17:00 |
御祭神 | 猿田彦命(さるたひこのみこと) |
ご神徳 | 延命長寿・縁結び・子授け・福徳開運・商売繁盛 |
御朱印
由緒略記がはさみ紙として付いてくる。
一体300円
先着500名限定という事で、疫病厄除けアマビエの護符も授かってきました。
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白鬚神社の歩き方
インスタ映えの大鳥居
通常であれば一の鳥居と思えるこの鳥居は湖畔の国道から約58m先に建っています。
湖なので潮の満ち引きがなく厳島神社の大鳥居の様にくぐったりは出来ませんが、大昔は絵図によると鳥居の辺りまでは陸地であったようです。
この鳥居は柱の支えが両側に出ている両部鳥居といって厳島神社の鳥居と同じ形状をしてるで、滋賀の厳島と言われる由縁でもあります。
湖面からの高さ12m、柱間は8mあるので、道路を横断しなくてもアップで撮ればこのくらいの画像は残せますが、渡った先は石段があり湖面まで降りれるようになっています。
そう聞くと行ってみたい気持ちにはなりますよね。
カヌーで鳥居をくぐったり、水上バイクで遊んでいる人もいて、本格的に鳥居を撮りたいなら人の少ない早朝がオススメ。
湖の鳥居から拝殿・本殿を結んだ一直線上にある二の鳥居は、国道の歩道脇に立っています。
もう少し引きで写真を撮るには道路を横断しなければならず、歩道からはこれがいっぱいいっぱいの写真になります。
3つ目の鳥居は本殿裏の伊勢神宮・内宮・外宮が祀られてる境内上段に行くことが出来ます。
なぜ。伊勢神宮?と思わえたかも知れませんがまた後で説明しますね。
湖の鳥居が見える場所に、鳥居復興碑がどんと置かれています。
琵琶湖の水位が上がってなくなった鳥居が、昭和12年に個人の寄進で復活したとき建てた碑です。
いつの時代にも前澤さんのような人はいるのです。
琵琶湖からの日の出を拝む方法
白鬚神社は琵琶湖の西岸に鎮座しているので、東から登る朝日は拝めますが、夕日は山側に沈んでいくので拝むことはできません。
ただ湖面に反射する夕日のオレンジ色は美しく、方角も逆光にはならないので、昼間に訪れるよりインスタ映えするでしょう。
厳密にいうと海ではありませんので、日の出は水平線からは登るわけではなく対岸から上ります。
それでも鳥居と朝日のコラボする様はとても幻想的な雰囲気になりますので、一見の価値ありです。
日の出を拝むコツを記しておきますので興味のある人はチャレンジしてみて下さい。
琵琶湖からの日の出を拝む方法
はなはなが日の出の方角をざっと調べた所によると、もちろん天気がよく雲が少ないのは前提条件ですが、一年を通して琵琶湖からの日の出は拝めます。
ただ、鳥居と日の出の重なりを拝む・撮るとなると一年でも限られてきますし、自分の場所も多少移動して鳥居と重なるように工夫する事も必要です。
太陽の動きは6月が一番北東から昇り、12月が一番東南から昇ります。
では太陽が一番鳥居の正面に来るのはいつか?というと、ズバリ12月が一番適しています。
正確には2020年は12月14日が一番東南から昇り、日の出時刻は6時57分です。
参考サイト:日の出日の入りマップ
国道161号線横断問題
湖中の鳥居はSNSの普及やインバウンド効果もあり、人気に火が付きみなさんこの鳥居を目当てに来ている人が多いのも事実。
しかし、この鳥居は湖中にあるために水際から見よう、撮ろうとすると国道を横断しなくてはいけません。
はなはなの様に参拝や御朱印拝受に来ている人でも近くで拝みたいと思うのですから、鳥居目当てに来た人は渡りたいに決まってます。
国道161号線は琵琶湖の西岸を南北に通り抜ける幹線道路で昼間は乗用車のみならず商用車や貨物・大型トラックが絶え間なく走っています。
もちろん横断歩道がないので神社前でスピードを落とす車もなく、ガードレールの切れ目には横断禁止の看板やイエローコーンが立てられており、滋賀県警の横断防止アナウンスが3ヶ国語で流れている状態です。
この場所や付近にも横断歩道はなく、車の切れ目を狙って渡っている状態なのですが、カーブで見通しが悪く大変危険です。
この事についてななはなもツイッターでつぶやいたのですが、ここに限らず横断歩の道無い所を横断する人はいるし、遠方や海外から来ていてどうしても写真を残したいとか、それぞれの理由があるでしょうから自己責任で勝手にどうぞとは思います。
ただ渡っている人を見ていると、小走りという感じではなくノンビリ歩いて渡っていたり、多少なりとも走ってくる車に迷惑かけているという意識はないのかな?とも思ったりします。
それに渡った先で、自己陶酔?して鳥居の前にずっと居座っている人・カップルもいて、はなはなも含めて横断せず手を高く伸ばして写真を撮っている人がいることを考えて欲しいとも思います。(渡りたい人を増やす事を助長しますので)
過去5年間で24件の事故、数年前には近くで死亡事故があったような場所なのですが、渡ったからといって違法ではないのでモラルに訴えるしか方法はないようです。
横断歩道と歩行者用信号機を作れば解決すると思いますが、滋賀県警によると作れない理由は以下の3つ。
- 横断歩道は歩道から歩道に渡るためのもので湖側に歩道がない
- 神社前はカーブで見通しが悪いため横断歩道や信号を設置するとより危険になる
- 神社・宗教法人の土地に税金を投入する事に対する問題
参拝者というより観光客増えている現状を考えると、これからもはなはなのように鳥居の近くに行けなくてがっかりして帰る人が多い事でしょう。
横断禁止ではなくて安全に横断してもらうにはを考えた方がいいのでは? 県警がダメなら県知事の鶴の一声でどうにでもなるような気がしますが、滋賀県としては観光資源にする気がないように感じます。
福岡の光の道で有名になった宮地嶽神社に匹敵する素晴らしい神社だと思うのですが残念です。
少し検索してみたら国道161号線の4車線化を山側ルートで決定したようですが、まだ着工には至ってないようですね。
神様の目の前で悲しい出来事があっても白鬚神社側としても不幸だと思うので、めずらしく愚痴っぽくなってしまいました。
拝殿と重要文化財の本殿
拝殿は明治12年の造営。
本殿は豊臣秀吉の遺命により慶長8年(1603年)に豊臣秀頼によって整備が行われた。
築400年の正四角形の入母屋造りの本殿は拝殿の造営時に屋根が接続されています。
倭姫命と伊勢神宮
石段を上がったところには、伊勢神宮の外宮・内宮のお宮が立てられています。
一番上の岩戸社まで行けば磐座も見えます。
白鬚神社の創建に関わった倭姫命は知る人ぞ知る、天照大御神の御杖代で伊勢神宮創建のお手伝いをした人です。
伊勢に立ち寄る前に近江も回っていますので、ひょっとしたら神宮は琵琶湖周辺になっていたのかも?と歴史のロマンを感じますね。
関連記事 伊勢神宮に行ったら外宮・内宮だけでなく別宮も回ってみよう。「伊勢神宮の御朱印巡りその2 別宮「倭姫宮」 姫の御朱印を授かりに行こう」
石段下の末社若宮神社は、本殿と同じ慶長8年(1603年)豊臣秀頼公による再建の記録あり。
石段上向かって左から、外宮・内宮となっているのでそのまま外宮先拝でお参りしましよう。
著名人の歌碑
源氏物語の作者である紫式部、与謝野鉄幹・晶子夫妻、松尾芭蕉が立ち寄った際に読んだ歌が残されています。
ちなみに境内の上段に登ったら鳥居が見えるかと思いましたが、木が邪魔をしてまったく見えませんでした。
天気が良かっただけに残念。
江戸時代に作られた拝殿(現絵馬殿)
寛永元年(1624年)の大溝藩主の分部光信に拝殿として造営。
ちなみに分部光信は織田信長によって焼き討ちされていた比叡山延暦寺の復興奉行を務めた人物。
現在は絵馬殿として使用されています。
江戸時代に奉納された常夜灯
当時は湖岸に立てられており、沖往く船の灯台の役割を果たした。
ここにもいました江戸時代の前澤さんが。
時代とともに湖岸は鉄道が通り廃線後国道が通り、徐々に神社側に移されていった経緯がある。
まとめ
白鬚神社のご案内はいかがでしたでしょうか? 現地に行って気になった事をまとめてみました。
- 駐車上のキャパは多くない、土日祝は要注意
- 国道は片道一車線で駐車場待ちは出来ない
- 満車の場合は諦めて一度スルーしよう
- 国道横断は自己責任で(横断を推奨はしません)ドライバーには絶対迷惑をかけないように
- 琵琶湖からは一年を通して日の出が見られる
- 湖の鳥居とのコラボは12月がいい
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