琉球八社の中でおそらく一番インパクトの強い末吉宮。
下から見ると山頂近くの木々の間から赤い社殿がぽつんと1つ異彩を放っています。
一体どうやって行けば行けば良いのだろう?
御朱印はあるのか?もらえるのか?
いろいろ下調べをした知識と実際行ってみてわかったことが驚きの連続でした。
今後行かれる方のために、琉球八社巡りをコンプリートされる方のために記事にしておきます。
アクセス、駐車場情報、参拝案内、など撮って来た写真でシェアします。皆さまの旅に少しでもお役に立てれば幸いです。
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目次
末吉宮について
琉球八社の一社で俗に「社壇」・「首里社壇」などと称され、史料では琉球王国第六代国王「尚泰久王」の時代(1456年頃)天界寺鶴翁和尚が熊野三所権現を勧請して祀った。
明治時代に入り琉球王国が廃され沖縄県が置かれると、当社は近代社格制度により無格社とされる。
政府による経済的保証がなかった当社はしだいに寂れていき、本殿・拝殿・祭場のうち拝殿は大正二年に倒失。
本殿と祭場はそれぞれ別の岩盤の上にあり、2つの岩盤を結ぶ独特の磴道(石造階段・アーチ型トンネル)と本殿は昭和十四年、旧国宝に指定された。
先の大戦で全て倒壊してしまうが、残った礎石と資材を基に磴道は昭和46年に修理、本殿は昭和47年(1972年)に国の史跡指定を受けて復元されたものである。
県指定の有形文化財「末吉宮磴道」(とうどう)昭和31年2月20日登録。
国指定史跡「末吉宮跡」昭和47年5月15日指定。
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末吉宮のアクセスと所要時間
自動車
末吉宮には参拝者用駐車場はありませんので、レンタカーで行く場合は駐車場所を考えなければなりません。
また公共交通機関では行きにくい場所にあるのでレンタカー推奨でお話しますが、末吉宮へのアクセスは大まかに二通りあります。
- 北側の大名口参道から行く場合
- 南側の末吉公園から行く場合
それぞれにメリット・デメリットがありますので順番にご案内します。
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大名口ルート
那覇空港より
国道58号線経由
所要時間・距離
約20分・10.3km
メリット
- 社殿までが近い
- 多少の山道はあるが普通に歩いても5~7分
デメリット
- 近くに駐車場・コインパーキングがない
- 大名口付近は駐停車禁止場所ではないので住民の邪魔にならない場所に停めなければならない
末吉公園ルート
那覇空港より
国道58号線経由
所要時間・距離
約17分・9.8km
メリット
- 末吉公園駐車場に無料で駐車できる
- 時間にとらわれず参拝・公園内を散策できる
デメリット
- 山道を片道30分程度歩かなければならない(歩きやすい靴必須)
- ゆいレール「市立病院前駅」からだと片道徒歩40分かかる
- 駐車場から末吉宮までの公園内の山道がわかりにくい
- 一人だと大変寂しい(夜間は危ないので行ってはいけない)
どちらがいいのか?
今回の2ルートの所要時間を比べた場合、往復10分と1時間ではあまりにも差が大きすぎるため、その他を含めそれぞれの判断にお任せします。
- 末吉公園に用事はなく、さっさと末吉宮の参拝だけ行いたい方は大名口からで良いでしょう。
- 末吉公園から往復1時間かけ散策しながら山登りがしたい方は末吉公園駐車場で良いでしょう
ちなみにはなはな一行はとても往復1時間かけて山歩き出来るメンバーはいませんので大名口から参拝しました。
大名口参道の利用について
当サイトで大名口駐車場所と記してある所は、公認の駐車場所ではなく交通量の少ない住宅街です。
駐停車禁止の標識はなく、道路に車(参拝者以外の近隣住民?)がたくさん停まっている場所です。
交通ルールに従い、交差点や出入口から5m以内は停めてはいけません。(常識の範囲内でお願いします)
大名口参道からの場合、駐停車禁止場所ではないにしろ何処かに停めなければならない事を考えると、当サイトでは推奨ではないというスタンスです。(絶対に駐車違反にならない保証はない・近隣から苦情の通報がある可能性もある)
よって2ルートの情報は全て提供しましたので後はケースバイケースで考えて参拝を行って下さい。(万が一駐車違反に問われても当サイトでは一切の責任も負えません)
ゆいレール
那覇空港駅 ⇒ 儀保駅(13駅約25分) ⇒ 徒歩約20分 ⇒ 末吉宮
運賃 大人330円 小人170円
ゆいレール利用のポイント
ゆいレールを利用する場合は、
「市立病院前駅」下車で末吉公園内を通っていくと徒歩のみで片道40分ほど歩くことになります。
「儀保駅」下車で大名口参道から行くと片道20ほどで行けるので、一見遠回りに見えますが山道も少なく結果的に早いです。
ゆいレールの料金も那覇空港駅からは変わりません。
ゆいレールフリー乗車券
一日乗車券
大人 800 円 小児 400 円
二日乗車券
大人 1400 円 小児 700 円
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末吉宮の駐車場情報
大名口参道入口
マップコード
33 220 238*75
住所
〒903-0802
沖縄県那覇市首里大名町1丁目156
利用情報
参拝者駐車場はありませんし、付近にコインパーキングはありませんので以下の場所を探して駐車しましょう。
- 駐停車禁止の標識がない場所
- 交差点・出入口から5m以内の場所
- 近隣住民の迷惑にならない場所
末吉公園
マップコード
33 190 595*78
住所
〒903-0801
沖縄県那覇市首里末吉町1-3-1
☎
098-951-3239(那覇市公園管理課)
利用時間
9:00~21:00
駐車台数
40台
料金
無料
車高制限
無し
※情報が変更されている場合もありますので、ご利用の際は必ず現地の表記をご確認ください。
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末吉宮の参拝情報と御朱印情報
マップコード
33 220 147*81
鎮座地
〒903-0801
沖縄県那覇市首里末吉町1丁目8
☎
波上宮社務所
電話 098-868-3697(波上宮社務所内)
御祭神
伊弉冉尊 (いざなみのみこと)
速玉男尊 (はやたまをのみこと)
事解男尊 (ことさかをのみこと)
別鎮斎
土祖神 (つちみおやかみ)
澳津彦命 (おくつひこのみこと)
澳津姫命 (おくつひめのみこと)
産土神 (うぶすなのかみ)
御神徳
国家守護、国泰民安、五穀豊穣
子方(にーぬふぁ)之神(事始の神)として信仰され、末社神は学業成就、技芸成就、縁結び、子孫繁栄
参拝時間
早朝~夕方まで
- 夜間は怖いので行かないほうが良い(真っ暗です)
- 昼間でも女性一人では行かないほうが良い
参拝所要時間
30分
社務所・授与所
正月三ヶ日と例祭(11月23日)以外は無人です。
ご安心下さい、御朱印は波上宮で拝受できます。
御朱印
波上宮で拝受 一体300円
子方(にーぬふぁ)之神は地元ではとても信仰が厚いようです。
御朱印帳
なし
琉球八社の御朱印
関連記事 琉球王朝から崇敬を受けていた琉球八社の御朱印をコンプリートしました。
「琉球八社の回り方 御朱印拝受の方法を考察 沖縄の神社を巡る旅」を参考にどうぞ。
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みちしるべ
大名口参道
本来、末吉公園から登るのが正式な参拝ルートであると思う。
なぜなら、こちらから行くと拝殿が先で社務所は少し下った位置にあるからだ。
この大名口参道は、山頂に近いために山道が少なく時間的に短時間で参拝を済ますことが出来るとして、地元の方はこちらからが多いと思われる。
恐らく後から利便性を考えて作られた、裏参道的なものであるに違いない。
ただ一つのネックは住宅街にあるために参拝者用駐車場は用意されていないということです。
そうは言っても、あるからには利用しない手はないので、今回は大名口からの参拝のご案内をします。
大名口から伸びる階段を100mほど登れば山の頂上にたどり着く。
参道はコンクリートで固められ歩きやすいのでスイスイ登ることが出来る。
末吉宮の鳥居
山登りはここまででなので大名口は楽ちんです。
山頂に鳥居が設置されており一礼を、本殿はこの下にあるのでここからは下りなのです。
おそらく末吉宮の鳥居はここだけだと思うので大名口から来て良かったかな?
鳥居の脇に置かれた石碑を見ると、平成11年3月吉日建立とある。
やはり大名口は後から造られた裏参道っぽい。
鳥居をくぐるといきなり二股に差し掛かります。
案内は出てませんが、逆に考えればどちらでも行ける?
下方向に道がある右に進みます。
ちなみに左ルートは、後ほど出てきます「子ぬ方(にーぬふぁ)」という拝所に行けるようです。
しかしこちらにはあまり人が行かないのか?けもの道が生い茂っている感じ。
まさかハブなんかと遭遇したら嫌なのでパスします。
右ルートはけもの道でおまけに湿ってるし、足を滑らさないように注意しましょう。
道幅は少し広いかな?
急階段は手すりが付けられているのでなんとか降りられますが、ここは大名口の一番の難所なので慎重に。
これが参道ですから恐るべし秘境末吉宮。
アフリカマイマイに注意
一番の難所を超えればあと少し、油断ぜず道なりに進みましょう。
あと、大きいカタツムリとかいても触っちゃダメですよ!
「アフリカマイマイ」という恐ろしい寄生虫を持ってる奴がいるので注意。
雨上がりで湿った場所にはいると思ったほうがいいです。
手すりとか触ってニュルっとしたらアフリカマイマイが這った痕かもしれません、でも寄生虫は傷口や口から入らなければ大丈夫なので後で手をきれいに洗いましょう。
アーチ型トンネル
ど~んと現れる「グスク」の様な石垣ですが、世界遺産のグスクとくらべると綺麗に積まれています。
昭和四十七年の再建時に積まれたものですが、それ以前に沖縄県の有形文化財に指定されているのでトンネルを含め再現してあると思われます。
基礎から伸びる柱で拝殿が高い位置に作られています。
山城じゃないんだから、神社を造るためにこれだけの石を山の上に運ぶのは理由が見当たりません。
当時の琉球王国の力の表れであったのかも知れません。
末吉宮磴道
参道から拝殿までの石段は「末吉宮磴道(とうどう)」と呼ばれ県指定の有形文化財に登録。
祭場・拝殿・本殿と順番に高くなり石段でつながれています。
アーチの天井を見ても綺麗に積まれているのがわかります。
一人でくぐったらタイムスリップしそうな感じ?
参道から祭場までは8段、祭場から拝殿までが21段、拝殿から本殿が7段。
トンネルをくぐりぐるっと回り拝殿下に祭場と呼ばれる広場がある。
ウコール?
参拝者 お願い
旧来より、末吉宮の拝みは石段はめ込みウコールより下で行う事になっています。
文化財保護の為にも、このことを守りご参拝下さい。
- 拝殿に上がると防犯警報が作動します
- 拝殿内を拝観されたい方は、社務所までおたずね下さい
那覇市・那覇警察署・末吉宮
注意書きに気付かない方はいないと思いますが、一応記しておきます。
天空の拝殿
熊野三所権現を祀った琉球八社の中で末吉宮は熊野速玉大社、識名宮は熊野本宮大社、普天満宮は熊野那智大社に結び付けられて信仰されていたようです。
なるほどその話を聞くと熊野速玉大社の朱塗りの拝殿と末吉宮の朱塗りの拝殿がかぶりますね。
「ウコール」が何かわかりませんが、警報装置が作動するらしいのであまり上には行かないほうがいいでしょう。
拝殿奥の本殿を拝みたいのはやまやまですが、常識的に考えて一般の神社でもお賽銭箱より先には進まないのでここまでとしておきます。
「拝殿内を拝観されたい方は、社務所までおたずね下さい」と書かれていましたが、拝殿内を拝むには社務所に人がいる正月三ヶ日が例祭の11月23日に突撃しましょう。
望遠で扁額をパシャリ。
現場ではわかりませんでしたが、帰宅後「社壇」の文字に気付く。
末吉公園ルート
拝殿前から振り返るとここは山の山頂近くであることがわかるのですが、大名口からだと山登りした感覚はないです。
あいにくの天気で残念ですが、景色を見渡すと「ゆいレール」の高架が見えます。
ちなみに、末吉公園駐車場はゆいレール沿いにあるので、末吉宮の参拝はここまで上がってこないと出来ないのです。
公園駐車場からは足場の悪い険しい山道もあり、ここまで30分かけて上がって来ることになりますのでハイキング装備で来たほうが良いでしょう。
また公園内には末吉宮の案内板も一切ありませんので山中に見える赤い社の方向感覚だけで進むことになります。
社務所
社務所の前に道がありますが、公園側から登ってくるとここに出るのです。
首里城からは識名宮の次に近く琉球王朝時代は「社壇」とされていたのですが、時代の流れを感じます。
社務所横に何やら置かれていますが、モニュメントの様でもあります。
汚れていて文字は読めませんでしたが、赤瓦からして再建に関する覚書のようなものだと思われます。
現在神社としては宮司さんも常駐している規模の大きいものではありませんが、琉球の歴史的観点から見ても磴道は見ごたえあるものでした。
御嶽
帰りは来た道を戻れば良いのですが、ちょっと参道から外れるとこんな拝所があります。
ヒヌカン(火の神)は琉球の神様
子の方(にーぬふぁ)之神
鳥居の二股を左に進むとここに出る事がわかった。
後方の壁といい拝所の形といい斎場御嶽のようでもある。
まとめ
グスクのような石垣の上に建つ不思議な空間を持つ末吉宮のご案内はいかがでしたでしょうか?
参道から横を見る斎場御嶽のような場所がありますので、探検隊になった気分で行くのも楽しいかも知れませんが、天気の悪い日は避けたほうが無難です。
現地に行って気になった事をまとめてみました。
- 参拝だけなら大名口が近くて便利
- 末吉公園からは往復1時間のハイキング
- 雨天は足場が悪いので避けたほうが良い
- 昼間でも女性一人は止めたほうが良い
- ジャングルや秘境が好きな人にはオススメ
- 社務所は無人なので参拝のみ
- 石段のお賽銭箱より上には登らない
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