信州の名刹善光寺。数え年で七年に一度の御開帳で回向柱(えこうばしら)に触れ、御利益を得ようと全国から参拝に訪れます。
歴史あるお寺ではありますが、お守り、お札、おみくじ、名物のだるま、牛の縁起物、キャラクターのコラボ商品などお土産ショップ的な場所で販売されています。
それは時代の流れであり、神社仏閣の観光地化に他なりません。それだけの人が毎日訪れている訳ですから、対応する側もシステマティックに行わないと回って行かないのでしょう。
その事は管理人もまったく否定するつもりもありませんし、並んだり待ったりというのは好きではありませんので、御朱印でも御朱印帳を預けて1時間後に来てください、というのが願ったりかなったりなのです。
しかし、どうあがいても御開帳の時期などは混雑しすぎて回らなくなってしまう事もあります。
善光寺に来たらやっておかないと後悔する事、御開帳の時期では待ち時間が長くなってしまい、すぐに出来ない事を待ち時間なしで6つ行ってきましたのでご案内します。
気になる混雑具合やお得な駐車場情報、アクセス、利用情報など撮って来た写真でシェアします。少しでも皆さまの旅のお役に立てれば幸いです。
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善光寺について
善光寺は長野県長野市にあり、1707年(江戸中期)の再建で、国宝指定。無宗派で全ての人々に身分も性別も分け隔てなく受け入れ、救いや希望をもたらしてくれる寺院。
江戸時代末には「一生に一度は善光寺参り」と言われるようになり、いつかは訪れてみたい名刹です。
善光寺といえば御開帳というくらい有名な行事であり、善光寺参りの魅力の1つでもあります。
御開帳時の参拝者数は700万人超にものぼり、その目的は回向柱に触り仏様との縁結び、そのために長蛇の列ができるのです。
御開帳ごとに行かれ方も少なくありませんし、一度は御開帳を体験するのも良いでしょう。
江戸時代から広く語り継がれてきた言葉に「牛に引かれて善光寺参り」があります。
老婆が、さらしていた白布を角に引っ掛けて逃げた牛を追いかけた、牛を追い善光寺へ入って行くと牛ではなく如来に白布がかかっており、牛は自分を如来のもとへ案内した化身と知って厚い信仰を起こした。という言い伝えです。
善光寺=牛の由縁となるはなしですね。
広大な境内には、国宝の本堂をはじめ、重要文化財の山門や経蔵など、見どころが数多く、時間をかけゆっくり見てまわりたいものです。
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善光寺のアクセスと所要時間
東京方面
- 中央自動車道 岡谷JCT → 長野自動車道 更埴JCT → 上信越自動車道 長野IC
- 関越自動車道 藤岡JCT → 上信越自動車道 長野IC
- 長野ICより 国道117号線経由 11km 約26分
名古屋・大阪方面
- 名神高速道路 小牧JCT → 中央自動車道 岡谷JCT → 長野自動車道 更埴JCT → 上信越自動車道 長野IC
- 長野ICより 国道117号線経由 11km 約32分
新潟・北陸方面
- 北陸自動車道 上越JCT → 上信越自動車道 須坂長野東IC
- 須坂長野東ICより 国道406号線経由 10.4km 約27分
善光寺の駐車場情報
はなはながいつも停めるオススメ駐車場を公開しています。
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善光寺の参拝情報
基本情報
所在地
長野県長野市元善町491
TEL 026-234-3591
御本尊
一光三尊阿弥陀如来(絶対秘仏)
御朱印
本堂、大勧進、大本願、釈迦堂、忠霊殿、雲上殿(境外)の六ヶ所
限定を除き18種類
その他宿坊数箇所
御布施
15体各300円、月・季節限定各500円
拝観時間
本堂内陣拝観
AM 4:30~PM 4:30
山門・経蔵拝観
AM 9:00~PM 4:00
利用料金
内陣券
本堂の内陣(畳敷きの間)・お戒壇めぐり、善光寺史料館を拝観される際には、「内陣券」が必要です。本堂に正面から入って右手の発券機でお求めください。
このほか、内陣券は本堂内の授与品所、本堂正面手前右手の授与品所でも、お求めいただけます。
※障害者手帳をお持ちの方は、ご本人と付き添いの方1名様まで無料でお入りいただけます。
内陣券頒布価 | 一般 | 高校生 | 小中学生 | 未就学児 |
500円 | 200円 | 50円 | 無料 |
なお、境内および本堂の外陣(板敷きの間)には、ご自由にお入りいただけます。
山門拝観料
山門の二階への登楼については、拝観券をお求めください。
※障害者手帳をお持ちの方は、ご本人と付き添いの方1名様まで無料でお入りいただけます。
山門拝観料 | 一般 | 高校生 | 小中学生 | 未就学児 |
500円 | 200円 | 50円 | 無料 |
経蔵拝観料
経蔵については、拝観券をお求めください。
※障害者手帳をお持ちの方は、ご本人と付き添いの方1名様まで無料でお入りいただけます。
経蔵拝観料 | 一般 | 高校生 | 小中学生 | 未就学児 |
300円 | 100円 | 50円 | 無料 |
三堂・史料館参拝券 ※三堂(国宝本堂・山門・経蔵)
本堂内陣(お戒壇めぐり)参拝と山門拝観、経蔵拝観がセットとなっております。参拝券は三堂どちらでもお求めいただけます。
三堂・史料館参拝券 | 一般 | 高校生 | 小中学生 | 未就学児 |
1,000円 | 400円 | 100円 | 無料 |
セットがオススメ
善光寺を楽しむなら三堂・史料館参拝券の購入をおすすめします。4ヶ所回れて300円お得になりますし、全て体験した管理人はご利益が授かった得した気分になれました。
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善光寺の歩き方
御開帳とは
数え年で七年に一度、秘仏である御本尊の御身代わり 「前立本尊」(鎌倉時代・重要文化財)を本堂にお迎えして行う「善光寺前立本尊御開帳」。 仏都の春、御仏とのありがたいご縁が生まれます。
回向柱に触れて、如来さまとのありがたい結縁。
回向柱とは、卒塔婆の一種で、御開帳期間中に本堂前に立てられる高さ約10mの柱です。前立本尊の御手と「善の綱」によって結ばれるため、前立本尊に触るのと同じ御利益があるといわれます。
引用元:http://www.gokaicho.com/
善光寺の御本尊である「一光三尊阿弥陀如来像」は絶対秘仏であり、住職はもちろんのこと貫主でさえも見ることができません。その御本尊の分身である「前立本尊」でさえも、普段は宝物庫に安置されており見ることができません。
「前立本尊」が唯一見られるのが、御開帳なのです。七年に一度全国から人が集まってくる理由がわかりますね。
善光寺参道
善光寺参道(敷石)は1707年本堂が現在地に移転後、7年目にあたる1714年に完成しました。約400メートルに渡り規則正しく並べられた敷石は7,777枚と言われています。
現在も一部補修をうけていますが、大部分が当初のままで、これほどの規模を持つ近世以前の敷石の参道は、全国的にも稀です。
仁王門
最初に通り抜ける事になるのが仁王門です。高村光雲と米原雲海の合作である巨大な仁王像がお出迎え。近くで見るとその形相に圧倒されます。
高さ13.6m、間口13m、奥行7m、扁額には金字で「定額山」(じょうがくさん)と善光寺の山号が記されている。
宝暦2年(1752)に建立されましたが、地震やの火災で何回も焼失しています。現在のものは大正7年(1918)に再建されたものです。
仁王門には「わらじ」などの履物がかけられており、旅の安全祈願、無事に善光寺に着いたなどの御礼の奉納だそうです。バレエのトウシューズがかけられていましたが、祈願成就をお祈りします。
仲見世通り
仁王門の手前から山門までの表参道であり、メインストリートです。
両側には食べ歩きにぴったりなお店、お土産屋さんが所狭しと並んでおり、賑やかな参道を通りぬければ、善光寺参りもテンションがあがります。
六地蔵とぬれ仏
仲見世通りを過ぎて山門の手前の右側に「六地蔵」があります。そして、六地蔵の左側に並んで少し大きい「ぬれ仏」があります。
六地蔵の「六」は仏教の六道を表わしています。六道とは、地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人・天のことです。死後の世界で初めにどの道に進めるかはその人の生前の行いで決るとされており、それぞれの道で我々衆生を救ってくださる菩薩様です。
向かって一番右のお地蔵さんだけ左足が一歩前に出ています。地獄界で救って下さるお地蔵様で少しでも早く救いたいという現れだとか。
ぬれ仏は延命地蔵様。1847年の震災で母屋が倒壊して以来、再建されることなく雨に濡れている為、ぬれ仏と呼ばれるようになりました。
山門
善光寺の山門(三門)は、二層入母屋造りの建物で、1750(寛延3年)の建立で重要文化財。江戸時代中期の寛延三年(1750年)に建立されて以来、大勢の参詣者を本堂に迎え入れてきた歴史ある門です。
高さは約20m、横幅18mで仁王門よりかなり大きいです。
平成14年 (2002年)10月から平成19年(2007年)12月までの約5年間、初の大規模な修復工事となる平成大修理を実施いたしました。
平成の大修理により、それまで檜皮葺きだった屋根を建立当時と同じサワラの板を用いた栩葺き(とちぶき)に復原されています。何よりも嬉しいのは耐震補強されたおかげで上部回廊に上がれるようになった事。
畳3帖の大きさがある「鳩字の額」で知られる扁額。「善光寺」の文字には鳩が5羽隠れており、善の字が牛の顔になっています。 わかりますか?
本堂
現在の本堂が完成したのは、宝永4年(1707年)。元禄13年(1700)の火災で焼失したため、7年の歳月を費やして建てられました。
横幅約24m、高さ26m、奥行き56mあり、これは国宝の木造建築では4番目の大きさです。仏堂の前に礼堂を配した撞木造と呼ばれる独特の構造を持つ大伽藍で、明治28年には国宝に指定されました。
中は外陣・中陣・内陣・内々陣に分かれていますが、参拝者は内陣までしか拝観はできません。お戒壇巡りをすると内々陣の床下部屋に入っていけます。
本堂右側には長野オリンピックにあわせて取り付けられた、国宝初のバリアフリースロープ。
本堂左側はご本尊がいらっしゃいますので通行禁止です。
善光寺に行ったらやっておきたい6つの事
今回は御開帳の時期ではなく、それ以外の時期に限ってのご案内です。なぜなら、御開帳時は混雑して以下の6つの事を行う事が困難と思われます。
境内は非常に込み合って、長蛇の列で何時間も待たなくてはいけなかったりするからです。
①大香炉の煙
お線香一束100円で購入し、穴の中に差し込んで火をつけます。
線香の消し方
奥まで入れないと火が着きませんので火傷注意。線香の真ん中より後方を持つと楽です。
火の付いた線香はもう片方の手で仰いで消しましょう。仏教の世界では口はきたないものとされており、息で吹き消すのはタブーです。
炉上部の穴の開いている場所にお線香を投げ込み煙を浴びます。煙を手繰り寄せるようにして体にこすりつけましょう。
無病息災、病気平癒のご利益があるといわれています。
②びんずる尊者
外陣と呼ばれる本堂板敷きの空間に座布団に座った「びんずる尊者」と言われる撫仏(なでぼとけ)がいらっしゃいます。
自分の治癒したい場所と同じところを撫でると病気が治るといわれていて、おそらく全ての観光客がびんずるさんを撫でています。
長年撫でられた結果、表情がほとんどわからないほどの顔、ツルツルのからだがテカテカに光ってます。私も腰痛で腰の辺りをなでなでしました。
※本堂内は写真撮影が禁止されている為パンフレットより。
③内陣参拝
一般の方は本堂入ってすぐの外陣から参拝しますが、内陣券を購入すると御本尊により近い畳敷きの内陣に上がることが出来ます。
靴を脱ぎ、脱帽して畳130帖敷の広い場所に上がり、座って本堂内でくつろげます。11:00くらいからでしょうか、タイミングがいいとそこで僧侶の説法が聞けたりしてお得だったりします。
御本尊は正面向かって三分割された真ん中だと思われがちですが、実は一番左の龍の幕の奥にいらっしゃいます。絶対秘仏で住職ですら見たことがありません。
お賽銭箱は真ん中と御本尊前の左側に置いてあるので、2箇所とも正座してお参りします。当然左側でお参りする時は力が入ります。
④お戒壇巡り
お戒壇めぐりとはご本尊が安置されている瑠璃檀と三卿の間の床下に部屋があり、本堂内々陣の下を通り抜ける真っ暗な回廊を進む体験です。極楽の錠前に触れる事が出来た人のみ、ご本尊と結縁を果たせると言われています。
回廊へ入る階段を降りる時、壁に手を当てる位置が表示されていますので、その高さをキープしつつ壁を触りながら入っていきます。
少し入ると外の明かりも届かなくなり、暗闇で数センチ先も見えません、片手で壁を触りながら手探りで進みますが、全く見えませんので五感を頼りに進みます。
前の人が進んでいるのか止まっているのかまったくわからないので、前の人に当たったり後ろの人に追突されたり状態なのです。途中で回廊がUターンしたりではじめての方は壁から手を離さないように。
極楽の錠前(ドアノブのような形)を見つけた人が触ってガチャガチャ音がしますので、その音の位置を覚えておいて近づいたら自分も触れるように五感を研ぎ澄ませましょう。
※本堂内は写真撮影が禁止されている為パンフレットより。
真っ暗で何も見えません
御開帳時のお戒壇巡りは3時間待ちになった事があり、ゴールデンウイークも2時間待ちだそうで、どこかのアトラクションなみに大人気なのです。
やってみればわかりますが、真っ暗で全く前が見えない所を一人ずつゆっくり進んで行くので、通り抜けに時間がかかるのもうなずけます。
回廊は約45mあると言われており、本堂の横幅が25m、入口と出口は別なので納得の長さです。お子さん連れの場合は怖くて泣き出したりしますので覚悟して入りましょう。
お戒壇巡りは色々な寺で行っていますが、善光寺のは特に有名であり、御開帳時に限らず毎日行っていますので一回はやっておく事をオススメします。
⑤経蔵(輪廻塔)
宝暦九年(1759年)に建立された重要文化財。内部中央には八角の輪蔵があり、その中には仏教経典を網羅した「一切経」が収められています。
輪蔵の腕木を押して一回転させると、中の経本をすべて読んだと同じ功徳が得られると言われています。
これが結構重いのです。一人で回転させようと力を入れても回りませんので、他の観光客と協力して回しましょう。
混雑時は前の人がすでに回してますので、その中の空いた所に入って一周すればいいのであまり力がいりませんが、なんとなくご利益が半減した気分になります。
⑥山門登楼回廊めぐり
平成の大修理を終え、平成20年(2008年)から約40年にわたって中断されていた二階への登楼参拝を再開しました。
内部では山門本尊の文殊菩薩像、四天王像、仏間の障壁画、四国八十八ヶ所霊場分身仏などを見ることができます。
江戸時代から昭和に至るまでの参拝者による落書きが多数残されているのも興味深いです。〇〇國など出身地が記されているものもあり、全国から参拝に訪れていた事がわかります。
靴を下駄箱に入れて登楼します。階段が非常に急なため足を滑らないようにご注意下さい。また頭を梁にぶつけないようご注意下さい。
南側・表参道、仁王門
平成29年(2017年)夏からは、建立以来初、回廊を巡ることができるようになり、今まで見ることの出来なかった風景が東西南北楽しむことが出来ます。
西側・大勧進
北側・本堂
※写真撮影は周りの風景のみで内部の仏像・壁・障壁画等の撮影は禁止されています。
善光寺は時代の流れで観光地化されています。そこには、見るものを魅了するすばらしい物が沢山ありますし、それを維持していくには莫大なお金もかかるわけで致し方ない部分もあります。
今回ご案内した6つのやりたい事もお金がかかりますが、これだけの物を見る、体験する、楽しめると考えれば、それに見合った対価をお布施としてとらえてみてはいかがでしょうか、決して高いものではありませんし納得出来るはずです。
はなはなはまた善光寺に行きたいと思いました。
関連記事 たくさん拝受した御朱印については、「善光寺の御朱印のもらい方 初めに御朱印帳を買うべき理由」でまとめています。
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善光寺のまとめ
善光寺のご案内はいかがでした? 8,100文字の大作になってしまいましたが、最後に現地に行って気になった事をまとめてみました。
- 本堂回りの駐車場は近くて便利ですが、欠点は参道から歩き始める事が出来ない点。何回も来ていて本堂しか行かないという人以外はオススメしません。
- 善光寺は撮影に厳しく、国宝、重要文化財の内部は撮影禁止だと思った方がいいです。
- お戒壇巡り、山門、経蔵拝観は午前より午後遅めが空いてます。大型連休に行かれる方はその時間帯を狙いましょう。
- 山門には登楼の人数制限もありますので混雑時は要注意です。また階段が非常に急なので年配者はまず階段を見て登れるか判断しましょう。
- 観光時間は6つのやりたい事をやって3時間といったところです。その他に4ヶ所で御朱印も拝受していますので4時間は滞在しました。
- 御開帳時は通常時とまったく異なると思っておきましょう。とにかく混雑で何も出来ません。
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