日本100名城は、数ある日本の城のうち財団法人日本城郭協会が2006年に定めた名城の一覧であり、城郭めぐりをされている人以外でも有名所の城郭は観光で訪れている人も多いのではないでしょうか?
今回は100名城の中でも一番新しい江戸末期に造られた五稜郭(ごりょうかく)のご案内です。
誰しもテレビ等のマスメディアで一度は目にしたことがあると思われ、星型五角形の公園のような所というイメージかも知れません。
五稜郭は天守がないけどお城?と思われている人もいるかも知れませんが、その辺りも含めて築造経緯や見どころをわかりやすく紐解き現地レポでお送りします。
例によってアクセス、駐車場情報、観光案内、混雑状況など撮って来た写真でシェアします。皆さまの旅に少しでもお役に立てれば幸いです。
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五稜郭とは?
北海道函館市にある稜堡式城郭(りょうほしきじょうかく)といい簡単に言えば、星型要塞です。
その美しい星型五角形はいち早く西洋文化を取り入れた国際開港都市箱館(明治9年に函館に変更)の象徴でもあります。
16世紀のヨーロッパで発生した築城様式で、新型の火砲(大砲等)の威力に中世の垂直で高い城壁では耐えられないため、城壁は低く厚く砲弾で砕け散らないように土と煉瓦を含む材料で造られました。
また多方向からの攻撃ができるよう、稜堡(三角形の突端部)それぞれがお互いをカバーし死角をなくす設計になっています。
五稜郭が造られた時代背景を見ると、嘉永6年(1853)浦賀にやってきたアメリカ合衆国のペリー提督は徳川幕府に開国を迫りました。
黒船の脅威を目の当たりにした幕府は安政元年(1854)日米和親条約を結び下田と箱館の開港を決定します。
幕府は諸外国との交渉や、蝦夷地を治めるために箱館奉行を設置するも、箱館山麓では艦砲射撃の射程内であるとして、射程外の現在の場所に五稜郭の建設と箱館奉行の移転決定したのです。
戦国時代の城ならば箱館奉行所が天守で五稜郭はそれを囲む城郭という事なのです。
安政4年(1857)に着工し、厳冬期の難工事をへて源治元年(1864)7年の歳月をかけ完成した五稜郭の中央に奉行所が移転しました。
五稜郭で忘れてはならないのが、戊辰戦争(1868年 - 1869年)の最後の一戦(箱館戦争)が繰り広げられた旧幕府軍の最後の砦という事です。
新撰組副長・土方歳三の最期の戦いとしても有名ですが、諸外国からの脅威に対抗する為に造られた五稜郭が皮肉にも日本人同士の戦いの舞台になってしまったのです。
大正3年(1914)に五稜郭公園として一般開放
昭和27年(1952)特別史跡に指定
現在は1913年から10年かけて植樹したソメイヨシノ約1,600本が残り春は桜の名所、秋は紅葉、冬は雪で真っ白な堀が幻想的にライトアップされ全国的にも有数の観光地になっています。
ちなみに函館は4月下旬から5月上旬のGWがお花見の時期。
五稜郭のスペック
- 史跡指定範囲:約251,100㎡(東京ドーの5倍)
- 堀の内側:約125,500㎡(東京ドームの2.5倍)
- 堀の周囲:約1.8km
- 史跡指定地の周囲:約3km
- 堀の幅:最大約30m
- 堀の深さ:約4~5m
- 土塁の高さ:5~7m
- 土塁の厚さ:約27~30m
- 直径:約500m(東西500m×南北500m)
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五稜郭のアクセス
アクティブに移動できるレンタカーが便利
北海道の降雪は地域にもよりますが、例年10月下旬から11上旬には始まります。
この時期長距離を移動する際は峠道ではなく除雪されている高速道路の方が安全でしょう。
冬期は降雪や道路の凍結などもあり慣れない道を長時間走るのは苦行でしかありません。
レンタカーもスタッドレスタイヤは標準装備していますが、11月中旬~4月中旬月は一度降った雪がなかなか溶けず日陰はアイスバーンになっている事もあり大変危険です。
天気予報や最低気温に気を配り、安全運転で走行しましょう。
じゃらんは使いやすいのではなはなもよく利用する予約サイト。
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道央道・函館新外環状道路より
道央道大沼公園ICより
所要時間:距離=約40分:32.2km
函館新外環状道路は片側1車線~2車線の走りやすい道で流れもいいのでスピードの出し過ぎに注意しましょう。
函館空港より
函館空港周辺レンタカー会社より
所要時間:距離=約20分:7.5km
函館観光のみなら函館空港利用は一番便利が良いので利用者も多いと思います。
また、函館は坂が多いのであちこち観光地を回るならレンタカーは必須でしょう。
新千歳空港より
新千歳空港周辺レンタカー会社より
所要時間:距離=3時間30分:270km
函館空港の次に近いのが北海道の玄関口「新千歳空港」なのですが、とても近いという距離ではありません。
270kmというと東京起点で東は福島、北は長岡、西は浜松まで行ける距離で、まさに「北海道はでっかいど~♪」なのです。
支笏湖・洞爺湖といった北海道の大自然を満喫できるルートもありますが、時間に余裕のあるスケジュールを組みましょう。
高速道路とはいえ片側1車線の対面通行区間も多く、所々に追い越し車線(ゆずり車線)がもうけてありますが、遅い車がいるとつまる事もあります。
最高速度は対面通行区間は70km、片側2車線区間は80~100kmとなっていますので、くれぐれもスピードの出し過ぎには注意しましょう。
覆面パトカーも多く走っており、楽しい旅を台無しにしないために、慣れない道は地元ナンバーでレンタカーでない「わ」「れ」以外の人についていくのが安全です。
また、北海道の高速道路のSA・PAはトイレと自販機のみという所も多く、売店・コンビニ・レストラン・ガゾリンスタンドなど利用した人はあらかじめ調べておいたほうが無難です。
有珠山サービスエリア
新千歳空港から道央道で函館に向かう場合に、レストラン(軽食)のあるSAはここだけなので要チェックです。
噴火湾や有珠山、羊蹄山が一望出来る展望台もあり、休憩や、昼食に是非とも立ち寄りたいSAとなっています。
新千歳空港からは室蘭ICを超えた場所、1時間ちょっとの距離なので少し走り足りないかも知れませんが上下線とも同じ設備があるので自販機とトイレだけではという人は覚えておいて損はないです。
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五稜郭の駐車場情報
関連記事 五稜郭の駐車場情報や函館観光で役に立つ駐車場をまとめてみましたので「函館観光のおすすめ駐車場25選 五稜郭から函館山までエリアごとに現地調査」を参考に。
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五稜郭の観光情報
五稜郭跡
マップコード
86 166 277*37
住所
〒040-0001
北海道函館市五稜郭町44
☎
0138-21-3456
営業時間
4~10月 5:00~19:00
11~3月 5:00~18:00
定休日
なし
入場料金
郭内・公園内無料
所要時間
約40分~1時間
その他
桜・紅葉シーズンは混雑します。
函館奉行所
入館料
一般 500円
学生・生徒・児童 250円
未就学児 無料
開館時間
4月〜10月 9:00〜18:00(17:45 受付終了)
11月〜3月 9:00〜17:00(16:45 受付終了)
休館日
年末年始(12月31日〜1月3日)
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五稜郭の歩き方
一番に目に飛び込んでくる五稜郭タワー
高さ107mの五稜郭タワーに登らないと五稜郭の美しさはわかりません。
関連記事 五稜郭タワーの詳細は「五稜郭タワーの楽しみ方 アクセス 駐車場からグルメ情報を現地レポ」まで。
思った以上に幅広の内堀
特別史跡五稜郭跡は五稜郭公園として整備され外はもちろんの事、堀の内側まで無料で入ることができるのです。
もちろん郭内は24時間開放ではありませんが、堀の外周は一周1.8kmの遊歩道として整備されジョギングコースにもなっています。
一の橋
郭内に入るには2つ橋を渡ります。
半月堡(はんげつほ)
西洋式土塁で特徴的な三角形になっており、郭内への出入口を防御するために設置されています。
前線基地なので一の橋を渡ったら高台になっている土塁にあがると見晴らしがいいです。
当初の設計では各稜堡間の五ヶ所に配置する予定でしたが、工事規模の縮小などから、実際には正面の一ヶ所だけに造られました。
野田貸ボート屋さん
10月末から冬場は休業しているようで、春の花見の季節が一番賑わうようです。
直径500mの五稜郭のお堀を一周するには約1.5kmほど漕がなくてはいけないですが、体力に自身のある方はチャレンジしてみて下さい。
2人乗りでがんばって漕いで30~40分だそうです。
野田貸ボート店
お問合せ先:0138-51-9327
営業時間:9:00~17:00
定休日:冬期以外は無休(4月末~10月末)
料金(税込):2名2000円・3名2500円・4名2800円
貸し出し時間:50分以内(オーバー時は追加料金あり・要確認)
二の橋
二の橋をわたって本丸に突入。
函館奉行所の名前がある門は夕方には閉められます。
全ての石垣には武者返しが装備。
戦国時代の城郭の武者返しとは異なる、西洋技術が取り入れられた石垣に注目。
門を超えると藤棚のトンネルがありますので5月には美しい藤が楽しめます。
藤の見頃は本州以南ではゴールデンウイークあたりですが、北海道のはじゃっかん遅く5月下旬から6月上旬になります。
ゴールデンウイークの大型連休に訪れる人は桜が楽しめますので安心して下さいね。
五稜郭を設計した武田斐三郎の顕彰碑
当初は四方を土塁で巡らせた箱館奉行を建てる計画が決まっただけで、星型の土塁の予定はありませんでした。
安政2年(1855)年に箱館へ入港したフランス軍艦の軍人が、砲撃による戦闘が主戦のヨーロッパで考案された土木技術を伝え、築城術書を箱館奉行に贈呈しました。
武田斐三郎(たけだ あやさぶろう)は設計図や絵図面を写し取って、西洋式築城術を学び五稜郭を設計したのです。
語学堪能・頭脳明晰な武田斐三郎にあやかり顕彰碑に触れると頭が良くなるという都市伝説があり、それを証拠にお顔の部分が撫でられてテカっているのがわかると思います。
函館にはラ・サール校という優秀な学生が集ってくる学校もあるので、そんなうわさがまことしやかに流れたのかも知れませんね。
五稜郭のど真ん中に建つ箱館奉行所
せっかく五稜郭内に移転したものの、役所として機能したのは4年ほど。
箱館戦争で旧幕府軍の拠点となり戦争が終わると明治4年(1871)に解体されました。
完成からわずか7年で解体された悲しい歴史があります。
関連記事 箱館奉行所の見どころは「箱館奉行所の見どころは? 五稜郭タワーだけじゃない観光スポットを現地レポ」を参考に。
兵糧庫(ひょうろうこ)
五稜郭築造時の建物で、唯一現存しており、箱館戦争の記憶から兵糧庫と呼ばれているそうです。
兵糧庫の隣は板庫と土蔵を復元され、板庫はソフトクリーム等の売店と休憩所、土蔵は管理事務所になっている。
大砲2門
兵糧庫の前に置かれているので探すのは難しくないと思います。
手前は築島台場のブラッケリー砲
- 全長2.55m
- 重量2.5t
- 射程距離1,000m
- イギリスオードナンス社製造
奥は朝陽(軍艦)のクルップ砲。
- 全長2.85m
- 重量1t
- 射程距離3,000m
- ドイツクルップ社製造
郭内の土塁(土手)に登ってみよう
5~7mほど盛られた土手に上がると、ちょっと高い所から五稜郭を眺めることが出来ます。
さすがに全体はタワーに登らないとわかりませんが、高台の遊歩道になっているので気持ちいいですよ。
函館の風物詩
ここ函館は北海道で一番南にあるため、道内で最も早い開花で知られています。
全国各地気象台が出す開花宣言の標本木は気象台の敷地内にありますが、ここ函館地方気象台はサクラだけは五稜郭公園のサクラが標本木になっているそうです。
道内はもちろんのこと全国でも有数の花見の名所で約1600本のソメイヨシノが咲き誇ります。
例年は4月下旬には開花宣言が出され、ゴールデンウイーク中に満開を迎えるので道内のみならず全国から観光客が訪れるのです。
貸ボート屋さんから堀巡りに出発して水上からのんびり花見もいいですね。
20隻ほどある手漕ぎボートもさすがにこの時期は待ち時間が発生しますので、観光で時間が限られている方は午前中早めに行った方がいいでしょう。
雪景色にライトアップもなかなか粋なものです。
五稜郭跡・五稜郭公園のご案内はいかがでしたでしょうか? 思いのほか広く、お堀の内側を一周しようと思うと時間がかかることが分かりました。
歴史に興味があるない、季節によっても楽しみ方が異なるのですが、次回は貸ボートでお堀に漕ぎ出したいと思いました。
結びに現地に行って気になった事をまとめてみましたが、この記事があなたの良き旅のプラスになれば幸いです。
まとめ
- 函館観光では外せないスポット
- 駐車場は大型公共駐車場がおすすめ
- 大きすぎて近くで見ても形はわからない
- 五稜郭タワーには絶対登りたい
- 箱館奉行所には入ったほうが歴史の理解が深まる
- オススメの季節は春で道内屈指の花見スポット
- 箱館は明治9年に函館に統一された
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