「熊野古道」や「熊野三山」という言葉は、誰しも聞いたことがあると思います。しかし、熊野って何処にあるか知ってますか?「熊野」とは紀伊半島の和歌山県南部から三重県南部の地域を指します。
「熊野三山」とは熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社と呼ばれる三つの大きな神社の事であり、またこれらの神社に参詣・参拝する道を「熊野古道」と言います。
行ってみればわかりますが、大阪からも名古屋からも結構時間のかかる自然豊かな場所なのです。
今回は熊野三山で一番山奥にある熊野本宮大社のみちしるべです。平成30年は御創建2050年にあたる年で、奉祝式年大祭、熊野本宮大社御社殿での特別瑞垣内参拝、平成30年限定の御朱印帳・御朱印など、1年を通じて様々なイベントが行われています。
いにしえより数多の人々が熊野古道を通りここに参拝に訪れてきたという場所であり、あなたもその歴史の一人になってみませんか?
気になる混雑具合やお得な駐車場情報、アクセス、利用情報など撮って来た写真でシェアします。少しでも皆さまの旅のお役に立てれば幸いです。
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目次
熊野本宮大社について
熊野三山の中でもとりわけ歴史ある雰囲気をかもし出している立派な本殿で、最も人気があり参拝者も多い。全国に約3,000社以上ある熊野神社の総本宮になります。
熊野川の中枢に、古代より熊野巫大神の鎮座されるお宮が、熊野本宮大社です。熊野本宮大社は過去「熊野坐神社くまのにいますじんじゃ」と号し、熊野の神と言えば本宮のことを表していたものと推測されます。
熊野坐大神の御鎮座の年代は文献に明白ではありませんが、神武東征以前には既に御鎮座になったと云われており、社殿は崇神天皇65年(紀元前33年)に創建されたと『皇年代略記』や『神社縁起』に記されています。
熊野本宮大社は上・中・下社の三社から成るため、熊野三所権現と呼ばれています。また、十二殿に御祭神が鎮座ますことから、熊野十二社権現とも仰がれています。
平安当時、宇多法皇に始まる歴代法皇・上皇・女院の熊野御幸は百余度に及びました。困難な道を歩き御神前に詣でたことが、いかにありがたく、いかに御神徳が高かったかを窺い知ることができます。
南北朝から室町時代にかけては、皇族や貴族などの上流階級に代わり、武士や庶民の間に熊野信仰が広がりました。
身分の貴賤や老若男女を問わず、全ての人を受け入れる懐の深さゆえ、熊野には大勢の人々が競って参詣し「蟻の熊野詣」と呼ばれる現象を起こすまでに至りました。
引用元:熊野本宮大社HP
熊野本宮大社はかつて熊野川・音無川・岩田川の3つの川が合流する中洲にありました。
明治時代になってから山林の伐採が急激に行われ、山林の保水力が失われた事により、1889年(明治22年)大規模な洪水が引き起こされ、旧社地の社殿はほとんどが流出してしまいます。
現在社殿は山の上に移築されていますが、旧社殿の中州は「大斎原」(おおゆのはら)と呼ばれ、平成12年に完成した日本一高い大鳥居が建っています。(高さ33.9m、横幅42m、鉄筋コンクリート製)
関連記事 熊野本宮大社を語るに欠かせないのが「熊野古道」の存在です。
世界遺産 熊野古道の歩き方 短時間でも歩ける一番人気の場所はどこ?を参考にして下さい。
熊野本宮大社 アクセスと所要時間
中部・関東方面(小牧JCT経由)
出典:熊野本宮大社HP
紀勢自動車道 ⇒ 熊野尾鷲道路 ⇒ 大泊I.C ⇒ 国道311経由 ⇒ 熊野本宮大社
大泊I.Cより 50.2km 約60分
関西方面
紀勢自動車道 上富田I.C ⇒ 国道311号線経由 ⇒ 熊野本宮大社
上富田I.Cより 52.4km 約65分
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熊野本宮大社 駐車場情報と混雑情報
熊野本宮大社の駐車場は全て無料です。
お土産屋さんと併設の駐車場もありますが、遠慮なく利用してかまいません。
※情報が変更されている場合もありますので、ご利用の際は必ず現地の表記をご確認ください。
①瑞鳳殿駐車場
利用台数
17台
利用時間
24時間
※早朝到着される方はこちらの駐車場が便利がいい。
②樹の里駐車場
利用台数
約70台
利用時間
9:00~17:00(樹の里営業時間内)
※カフェ併設のお土産屋さんですのでなにかと便利がいい。
※観光バス兼用ですので普通車の駐車台数は変動あり。
③世界遺産熊野本宮館駐車場
利用台数
58台
利用時間
9:00~17:00(駐車場・館内無料)
※大斎原・産田社に立ち寄るなら一番近い。
※熊野本宮大社の知識が深まるので、時間があれば立ち寄りたい施設です。参拝後の休憩所として利用可。
④河川敷臨時駐車場
利用台数
約500台
利用時間
24時間
※時間をかけていろいろ回りたい方はこちらもありです。
※河川敷なので未舗装です。
※大斎原は一番近い。本宮鳥居までは徒歩5分。
⑤・⑥車椅子利用者専用駐車場
お身体の不自由な方・車椅子の方は、本殿近くの無料駐車場もご利用いただけます。
POINT
平日であれば①・②・③のどれかに停める事が出来るでしょう。
土日祝は時間帯によって④の臨時駐車場に回されますが、駐車場案内係のボランティアの方々が国道168号線沿いに立っていますので指示に従って下さい。
例大祭・初詣・イベント時は臨時駐車場になるでしょう。
ちなみに管理人は土曜の15:00頃でしたが、①・②は満車、③に停める事ができました。
熊野本宮大社 参拝情報
住所
〒647-1731 和歌山県田辺市本宮町本宮1110
電話
0735-42-0009
主祭神
家津美御子大神(けつみこのおおかみ)素戔嗚尊(すさのうのみこと)
御祭神
熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)に共通する「熊野十二所権現」と呼ばれる十二柱の神々。
参拝順序
熊野本宮大社⇒産田社⇒大斎原
参拝時間
6:00~19:00
授与所
8:30~17:00(季節により変動あり)
御朱印
熊野本宮・産田社・大斎原
三体各300円
二千五十年記念金文字御朱印 500円
宝物殿
拝観時間
10:00~16:00
拝観料
大人 300円 小人 100円 団体割引あり
お土産・カフェ・食事・宿泊情報
出典:熊野本宮大社HP
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熊野本宮大社 みちしるべ
伊勢に七度、熊野に三度、などといわれて、上皇、貴族から庶民まで熊野古道を何日も歩いてここに詣でていた時代がありました。
私は今朝家を出発して車を運転して数時間で到着しました。日数も体力も昔の人に比べたら微々たるものですが、初めてここに立つことが出来た喜びもひとしおです。
大鳥居
「熊野大権現」の扁額。鳥居をくぐる際は一礼を忘れずに。
また、参道の中央は神様のお通りになる道なので開け、右端を登り左端を下りましょう。
「熊野大権現」の奉納幟が立ち並ぶ158段の石段を登っていきます。この奉納幟は創建2,050年記念行事で奉納されたもの。
祓戸大神
立て札を見落とさないように。
石段の中腹にあるのでうっかり通り過ぎてしまうかもしれませんが、参拝者が多い時は行列ができているのですぐわかります。
祓戸大神にまずお参りをし、身を祓い清めます。
手水舎
石段の終点近くにある手水舎で手と口を清めます。
すぐ横にある看板に目を通し、全国に熊野神社は3,831社もあることに驚きました。
ちなみに一番多い県は千葉県の268社。
宝物殿
手水舎のすぐ上にある宝物殿には、室町・戦国時代の火災、明治時代の水害など幾度もの災害を免れ、国・県の重要文化財に指定された、貴重な宝物が収蔵されています。
時間があればぜひ。
参拝順序
第一殿からの順番ではありません、①~⑤の順番を覚えます。
神門
この門をくぐるだけで手前と向こう側では空気感か違います。深く深呼吸をすると、ピンと貼った神々しい空気が体内に入ってくるのが感じられます。
そして、くぐった途端に目に飛び込んでくる本殿に圧倒されます。
本殿
①証誠殿(本宮・第三殿) 家津美御子大神(素戔嗚尊)
②中御前(結宮・第二殿) 速玉大神
③西御前(結宮・第一殿) 夫須美大神
④東御前(若宮・第四殿) 天照大神
⑤満山社 結ひの神(八百萬の神)
二礼二拍手一礼
主祭神の家津美御子大神(素戔嗚尊)を一番始めに参拝します。これだけは絶対間違えないようにしたいものです。
五番目の満山社だけは社殿と離れていますが右隣ですのでお忘れなく。
檜皮葺の茶褐色の本殿は誠に趣があります。他の二山の熊野速玉大社・熊野那智大社の朱塗りの社殿とは対照的です。
拝殿
本殿とは別に拝殿が作られています。八咫烏のモニュメントが両側に。
熊野本宮=八咫烏であるのは、八咫烏は主祭神の家津美御子大神(素戔嗚尊)に仕える存在として信仰されており熊野のシンボルでありからです。
八咫ポスト
日本で唯一の黒いポスト。しゃれた立て看板が・・・
「この八咫ポストは通常に投函でき、毎日収集致します。大切な人への想いを、今の自分の想いをここ熊野から旅立たせて下さい。葉書はテントにお申し出下さい(記念の八咫スタンプを押印します)」
八咫烏はみちびきの神なのです。
授与所
授与品の数も数多く迷ってしまいますが、絶対欲しかった御朱印帳を購入し御朱印を拝受しました。
オススメは「八咫烏おみくじ」
吉・凶といったおみくじではなく、あなたの進む道を示してくれるくれるそうです。また、引いたあとは縁起物として飾っておけるのがいいですね。
おみくじ・絵馬の納所は石段の方にありますので、帰り際に結びに立ち寄れます。
御朱印
今年平成30年の創建2,050年限定?記念?御朱印帳です。かっこいいので一冊購入しましたがまだ使用していません。初穂料1,500円
拝受できる御朱印は三体。いずれも御創建二千五十年の朱印が押された限定です。
熊野本宮大社は直書きですが、産田社・大斎原は書き置きのみになります。しかしながら宮司直筆というご利益に授かれそうな限定なのです。
POINT
産田社・大斎原の御朱印は本宮で扱っていますので、産田社・大斎原を行く予定でも先に御朱印・御守り・御神札を拝受しておきましょう。
でないとまた石段を158段登らなくてはいけません。
産田社(うぶたしゃ)
熊野本宮大社の石段を降りてくると来たときには気づかなかった看板がでています。
さっそく道路を渡り行ってみましょう。
矢印の出ている路地を入っていくと。
女性の守り神である産田社(うぶたしゃ)に到着です。知り合いに妊婦さんがいたら喜ばれると想います。
イザナミノミコトの荒御魂の御力を受けられる「産守り」を買うには熊野本宮大社にもどらなければなりません。
こじんまりとしていますが、大斎原へ行く前に必ず参拝しましょう。
大斎原(おおゆのはら)
産田社からの目視はこれくらいの距離なのです。鳥居が大きすぎてわかりにくいのですが、人がアリのようです。
近くで見るとホント大きいです。また色が渋くていいですね~。
ポイントは中央に輝く八咫烏のマーク。かっこよすぎます。
高さは奈良の大神神社・新潟の弥彦神社といい勝負だな~ちょっと気になったので調べてみました。
鳥居の高さベスト3
第1位・熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ) 33.9m(和歌山県田辺市 平成12年 2000年)
第2位・大神神社(おおみわじんじゃ) 32.2m(奈良県桜井市 昭和61年 1986年)
第3位・弥彦神社(やひこじんじゃ) 30.16m(新潟県弥彦村 昭和57年 1982年)
みごとに三社とも参拝させて頂いておりましたが、ここで気づくのは完成年が新しいほど高いと言う事。この次作られる鳥居は間違いなく33.9mを超えてくるでしょう。
と、言いたいのですが、大きな鳥居を作るには莫大な資金がかかる訳で、それを負担できる大きな奉賛会を持つ神社にしかできません。はたしてこれを抜く鳥居は作られるのでしょうか?
おきまりのユネスコ世界遺産の石碑
洪水前は社殿があった場所なので手水舎も設置されています。
大斎原には二基の石祠が建てられ、左側に中四社下四社を、右側に境内摂末社の御神霊をお祀りしています。
流出前は五棟十二社の社殿(熊野十二所権現)があり現在の数倍の規模であったそうです。
上四社は現在の本殿に移され、先程参拝してきた第一殿~第四殿に祀られています。
熊野本宮館
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」(熊野古道)を訪れる皆様に、観光情報や地域情報を発信する拠点として整備された田辺市の施設になります。
はるか昔から水害にによる被害をうけていたそうですが、なぜ中洲にこだわったのでしょうか?
参拝者は足を濡らし川を渡らなければ境内に入ることはできず、全ての参拝者が自然に身を清める禊を行うためであったとされています。
初めて橋や船着き場ができたのは江戸時代になってからだそうです。
中洲にあった頃の本殿の展示物もあり見ているたけで勉強になり興味がわきます。
八咫烏といえばやっぱりサムライジャパンのイメージが強いですよね。
20分もあればささっと見て回れますので時間があったら立ち寄って下さい。
まとめ
熊野本宮大社の情報をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか? 所要時間は三社で60分、御朱印・お土産の時間を入れると90分は欲しいです。
せっかく時間をかけてきたのですから最低でも一泊して熊野を満喫したいですね。
現地に行って気になった事をまとめてみましたので見て行って下さい。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
- 明治時代に中洲にあった社殿が流され現在の地に移された。
- 主祭神の家津美御子大神(素戔嗚尊)は必ず一番始めに参拝。
- 本殿では一番から五番まで参拝順序がある。
- 八咫烏は家津美御子大神(素戔嗚尊)に仕える存在で熊野のシンボル。
- 熊野本宮大社⇒産田社⇒大斎原の順番で参拝。
- 平成30年は御創建2,050にあたるので訪れて限定御朱印・御朱印帳を手に入れよう。
- 八咫烏のサッカーをモチーフにした拝受品も多くサッカーファンなら一度は訪れたい。